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【2019年04月12日(金)投稿】
(※このページは2018年4月17日に投稿した記事を2019年のセルインメイについての内容に修正し投稿し直しました)
投資の世界には様々な「格言」がある。
株式投資で大いなる成功を成し遂げて来たであろう先人方々の「格言」である以上は無視する訳にはいかない。
そこで今回は2019年のセルインメイ(Sell in May)、所謂「5月に株を売れ」の格言について考えてみようと思う。
セルインメイとは
セルインメイとは相場格言の一つである。セルインメイ(Sell in May)を日本語に直訳すると「5月に売れ」という意味になるが、実はこの格言、正確にはもう少し長い。
「Sell in May, and go away; don’t come back until St Leger day.」
↓
「5月に売れ!そしてセントレジャーデイ(9月の第二土曜日)まで戻ってくるな!」
少し噛み砕いて言えば「5月は株価が下がり、8月までは下落基調が続くから火傷しないように離れておけ」と言う意味合いでもある。
そもそもこれは海外生まれの格言。日本の株式市場には当てはまらないのでは…と思われるかもしれないが、案外日本の株式市場にも「なるほど、当てはまる」と思う部分もある。
例えば、日本には4月末から5月初旬に掛けて大型連休ゴールデンウィークがある。連休中は少し相場から離れたい、休みたいと考える人が多くなるのは当然で、大型連休前はリスクオフで株を売られる傾向となりやすい。
特に2019年のゴールデンウィークは天皇陛下の退位日、新天皇陛下の即位日なども含め10連休の大型連休である。そうなると、余計リスクオフの流れが加速しやすい。
また米国でも早いところでは5月中旬から8月にかけてバケーションシーズンに入る為に、株価が下がり易い傾向にあるとも言われている。そもそも日本の株式市場は、取引の約6割は海外投資家が占めている訳で、海外投資家の動向次第では「セルインメイ」となる可能性も十分に考える必要が有る訳だ。
つまり「セルインメイ(Sell in May)」という格言、出自は海外かもしれないが、日本の株式市場にも十分に「当てはまる可能性がある」と考えられる。
2019年 セルインメイは本当に株を売るべき?過去の傾向
2019年5月はセルインメイとなるかどうかを考えるためにも、過去に日本の株式市場においてどれだけ「セルインメイ」の影響があったのかをザックリとだが調べてみた。
過去11年間日経平均株価5月の推移(※少数点以下は四捨五入)
2018年 5月1日始値22,453円→5月31日終値22,508円(+55円)
2017年 5月1日始値19,154円→5月31日終値19,650円(+496円)
2016年 5月1日始値16,357円→5月31日終値17,234円(+894円)
2015年 5月1日始値19,511円→5月31日終値20,563円(+1052円)
2014年 5月1日始値14,341円→5月31日終値14,632円(+291円)
2013年 5月1日始値13,838円→5月31日終値13,774円(-64円)
2012年 5月1日始値9,472円→5月31日終値8,543円(-929円)
2011年 5月1日始値9,964円→5月31日終値9,693円(-271円)
2010年 5月1日始値10,848円→5月31日終値9,768円(-1080円)
2009年 5月1日始値8,849円→5月31日終値9,523円(+674円)
2008年 5月1日始値13,803円→5月31日終値14,339円(+536円)
ゴールデンウィーク前後に大きく反落を見せるパターンもあったが、5月1日から31日迄の推移で見ると過去11年間の成績では7勝4敗、過去11年間を振り返っても必要以上セルインメイを警戒する必要はないように思える。
では直近11年の歴史を踏まえたうえで2019年のセルインメイは起こるのか、具体的に2019年の5月はどうなるのかを考えてみようと思う。
2019年はセルインメイとなるか?!
たぶん、このページにたどり着いた読者の方は 「で?結局2019年の5月はセルインメイなの?買うべきなの?売るべきなの?どっちなの?」 ということが知りたい人がほとんどだと思う。と、いうことで本題の2019年にセルインメイが起きるかどうか?という点について個人的な考えを書き出してみようと思う。
ただし、当方はただの株が好きなおっさん株ブロガーであり投資顧問でもなんでもない。ハッキリ言って、当たるも八卦当たらぬも八卦レベルの予想なので参考程度にとどめてもらいたい。
で本題だが、結論から言って当方は2019年はセルインメイは起こらないと思っている。
理由は主に3つだ。
2019年5月は新元号「令和」が施行される
2019年04月01日に新元号「令和」が政府により発表されたが、この「新元号:令和」が施行されるのは2019年5月1日から。つまり、ゴールデンウィーク明けの市場では「新元号:令和」施行の慶祝ムードから始まる可能性が高い。
要は、今年の5月(ゴールデンウィーク明け)は毎年恒例の年始のご祝儀相場のようなイメージをしている。
2019年5月26日~28日頃にトランプ大統領が来日予定
また2019年05月末頃には米国のトランプ大統領が国賓として、来日する予定となっている。これも日本株市場には、悪い影響を与えるというよりはいい影響を与えそうだ。トランプ関連銘柄などのテーマ株にも刺激を与える可能性もあるだろう。
2019年のゴールデンウィークは10連休
もう一つの理由としては2019年のゴールデンウィークは10連休という近年まれにみる大型連休となること。大型連休の時は、連休前はリスクオフの流れで売られたり、また市場が閑散となる可能性が高いが、連休後には反動からか活況となる可能性がある。個人投資家も10連休ゆっくり休んだあとは投資したい気持ちになりやすいのだろう。
ということで、むしろ売られやすいのは5月というよりは4月の後半のような気がしている。この考えからすると4月後半のゴールデンウィーク前にもし売られるとすれば絶好の拾いどころかもしれない。
まぁ根拠としては多少薄い気はするが、こんな理由から当方は2019年の5月はセルインメイとはならないような気がしている。
また、もう一つターニングポイントとなるのは「外部環境」だろう。
過去の例を鑑みても、日本株市場を取り巻く外部環境で懸念材料が出てくれば「5月だから」というのとは関係なく、売られる可能性は十分にあり得ると思う。
- 北朝鮮情勢の地政学リスク
- 米中関係悪化
- 米欧の通商摩擦懸念
もし、5月にこれらの問題が拡大するとすれば2019年の5月は売られる可能性もありそうだ。
だが、前項でも説明した通り、ここ数年の5月相場はセルインメイらしいセルインメイは起きていない。むしろ微妙ではあるが全体的に日本株が上がっているケースもある。つまり、やはり外部環境や国内の政治不安などなにかしらの懸念材料かなにかがない限りは「5月だから」というだけでは売られない可能性が高いのだろう。
むしろ大型連休前に引き上げられていた資金が戻ってくる可能性を考えれば上がる可能性の方が高いと思う。
まとめると
・令和元年のご祝儀相場に期待
・外部環境で懸念材料がでれば売られるかも(セルインメイ)
2019年の5月 セルインメイとなるかどうか当方の結論(予想)としてはこんな感じだ。
ちなみにゴールデンウィーク前~ゴールデンウィーク明けにかけては、日本株の決算ラッシュの時期が訪れる。決算ラッシュの時期には、好決算銘柄が買われやすいし、決算が悪ければ当然売られやすい。
「5月だから」というだけでセルインメイの格言とおり「5月~8月」にポジションを解消するのはもったいない。セルインメイに必要以上に怯えるのではなく、相場状況や決算発表日などをしっかりと把握し臨機応変に慎重なトレードを心がけることが重要だ。
2019年 セルインメイ対策
以上の事からも相場のアノマリーとして「5月は売られやすい」と言う事は確かに言われているが、毎年必ず「セルインメイ」が起こる訳ではない。
何より、もしも下げ相場の状況となっても、相場に逆行して上がる銘柄と言うのは一定数は存在する訳で、日々アンテナを張り、情報収集を続ける事が出来れば、おのずと流行のテーマ株が見えて来る。
臨機応変にテーマ株を乗り換えていければ「セルインメイ」も上手く乗り切れると思うぞ。
とはいえ、やはりある程度のセルインメイ対策は講じておきたいところだ。ただ、どちらかというと2019年に関して言えば、ゴールデンウィーク前のリスクオフの展開に巻き込まれないようにする方が重要な気がする。ゴールデンウィーク前にはリスクオフで売られる可能性があるが、だからこそその前段階でポジションを解消しておいて、ゴールデンウィーク直前に安いところを拾う方が賢明かもしれない。
個人的には以下の点には気を付けたい。
- ポジションを大きく持ち過ぎない
- 短期スタンスの銘柄を中心に物色する
- 相場の状況確認と情報収集を怠らない
- 決算シーズンは決算発表日などを把握しておく
この4つだけは強く意識しておきたい。
常に相場状況を確認できる時だけポジションを持つようにし、また短期スタンス(デイトレ・スイングなど)目線で早めの利確・損切りを行うように心がければ、突然大きな下落が起こったとしても巻き込まれずに済むだろうし、もし巻き込まれたとしても軽傷で済むのではないだろうか。
また決算シーズンは特に、保有銘柄の決算発表日はしっかりと把握しておきたい。知らないうちに「決算博打」をしてしまったという凡ミスは避けたいところだ。
2019年 セルインメイ 注目テーマ
株式市場ではどんな時でも騰がる銘柄・下がる銘柄がある。下落相場でも一定数は騰がる銘柄があるものだ。逆に軟調な下落相場の時には主力銘柄に手が出しにくく、特定の人気テーマ株が資金の逃げ場になりやすいかもしれない。
例えば、昨年(2018年)の5月には「RPA関連銘柄」や「AI関連銘柄」などに人気が集まっていたように思う。5月は株が売られやすいというアノマリーもあるが、テーマ性重視の相場であることには違いないだろうと当方は予想している。
2019年5月に注目されそうなテーマ株予想をいくつか予想しておこう。
やはり最近の旬なテーマ株である5G関連、人工知能関連、キャッシュレス関連銘柄あたりは注目しておきたい。
新紙幣の発行が報じられてまだ日が浅いため、この辺も注目だ。新紙幣関連とキャッシュレス関連のどちらにも絡むセルフレジ関連銘柄も物色人気を集めやすそうだ。
元号関連銘柄は材料出尽くしで売られる可能性もあるが、いざ令和が施行された後はどう動くか注目しておきたい。
また、もし「セルインメイ」が到来した場合の逃げ場としては比較的、外部環境の影響を受けにくいバイオ関連やゲーム・スマホアプリ関連銘柄も注目しておいても良いかもしれない。
2019年 セルインメイ まとめ
はたして2019年5月にセルインメイが到来するのかどうかはまだ判らない部分もあるが、やはり先人の残した格言の事は頭の片隅には意識しておくのが良いと考える。
何より大切なのは、日々アンテナを張り続ける事と情報収集を怠らない事。相場状況をしっかり把握し、旬なテーマ株を逃がさない嗅覚を持てば、逆に他を出し抜く好機になるかもしれない。「ピンチはチャンス」こちらの格言が生きて来る可能性も十分にある訳だ。
セルインメイの格言通り、5月~8月は相場を離れるのではもったいない。現に昨年(2018年)も5月~8月はRPA関連銘柄や人工知能関連銘柄などのテーマ株を中心に日本株も大いに盛り上がった。2019年もしっかり情報収集をしセルインメイに備えておきたい。
2019年 セルインメイ 対策(番外編)
セルインメイの時期にはどうしても不安になるのも仕方ない。また北朝鮮の情勢はまだきな臭くなってきている状況だ。相場状況も不安定で、先読みのしにくい展開と言える。