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世界的なインフレを受け、米欧が大幅利上げに踏み切った中で、動かずだった日銀が遂に金融政策決定会合で、政策金利を金融緩和のひとつとして抑えてきた長期金利の上限を「0.25%→0.5%」へと引き上げた。
黒田日銀総裁は「利上げではない」とは発言しているが、2023年4月8日の辞任を控え、次期後任に向けて先手を打ってきたと言えるだろう。
この日銀の軌道修正により急速に円高方向に向きドル円は150円から一気に130円台まで下落、年始には129円台に付ける場面となった。今後は日銀の次期総裁に代わることからもさらに円高へ進行するのではないか?と言われている。ということでここでは円高メリット関連銘柄一覧と本命株、穴株を分かりやすく記載するぞ。
円高メリット関連銘柄とは
円高メリット関連銘柄はその通り、為替が円高方向に向いて業績の恩恵がある銘柄となる。
円高とは他国通貨に対する円の価値が高くなることだが「円」の金額が1ドルに対して、比較時点より安くなることを円高という。反対に1ドルに対して高くなることを円安という。
もう少しわかりやすく言えば、1ドルが100円から90円になった場合、 最初1ドルを100円で交換することができたが、1ドル90円になると1ドルを90円で交換できることになる。
つまり1ドルを交換するのに90円と少ない金額で交換できるようになったのは円の価値が上がった事を意味するので円高。反対に1ドル100円が110円になった場合、1ドルを交換するのに110円かかります。110円を出さないと1ドルに交換できないのは円の価値が下がったからということになる。
輸出関連など海外に製品を売る企業は円の価値が下がれば、それだけ外国人からすると安く感じるので海外で製品が売れることから円安がメリットとなるが、海外からの食品や製品、エネルギー資源などを輸入して外貨を払う企業の場合は、円高であれば割安で外国製品を輸入できるというメリットがある。
円高は輸入業にメリット!輸出企業にはデメリット
日本で多く輸入されているのは原油、天然ガスなどエネルギー、食品では大豆、トウモロコシなどが代表、輸入食糧、輸入家具、原料を輸入する紙・パルプ、輸入木材、後は円高となると日本人が外国に旅行に行った時に円の価値が高くなるので、そういった業種は業績恩恵があり、後は日本人の海外旅行者が増えるのでメリットとなる。円高=円の価値があがる。輸入業にとってメリットという感じで覚えておくのが良いだろう。
超円安時代で業績恩恵を受けていた銘柄は円高方向に向くと業績悪化の懸念があるが、円高デメリット銘柄は下記の記事をみてもらえたらと思う。
円高メリット関連銘柄 一覧
- 2782 セリア 100円ショップ運営
- 3038 神戸物産 業務用食品スーパー
- 2053 中部飼料 中部地盤の独立系配合飼料大手
- 2201 森永製菓 総合菓子メーカー大手
- 7545 西松屋 ベビー・子供用品専門店を全国展開
- 9505 北陸電力 北陸3県に供給。石炭火力が主体
- 2670 エービーシー・マート 靴小売店「ABCマート」を全国展開
- 2109 DM三井製糖 精糖最大手「スプーン印」
- 2502 アサヒグループ ビール事業大手。傘下にアサヒ飲料、カルピス、ニッカ
- 3895 ハビックス 不織布と衛生向け原紙、不織布は日用品OEM生産
- 9504 中国電力 瀬戸内に電源集中。石炭火力比率大
- 4839 WOWOW 民間衛星放送会社映画・音楽
- 9511 沖縄電力 沖縄本島と周辺37島に電力供給。石炭と石油火力が主力
- 3139 ラクト・ジャパン 乳原料、豚肉、生ハムなど食肉加工品の商社
- 2282 日ハム 食肉総合メーカー。ハム・ソーセージで最大手
- 3946 トーモク 段ボール加工専業で大手。加工食品用が主力
- 3708 特種東海製紙 特殊紙と段ボール原紙用板紙が二本柱
- 3863 日本製紙 製紙業界2強の一角
- 9376 ユーラシア旅行社 高所得者層向け海外旅行の企画販売
- 3877 中越パルプ工業 総合製紙の中堅。新聞用紙、包装用紙が主力。
- 8079 正栄食品工業 食品専門商社
- 9603 エイチ・アイ・エス 格安航空券最大手
- 3864 三菱製紙 コート紙大手。写真感光材や印画紙なども。海外売上比率大
- 9509 北海道電力 地方電力会社大手
- 9503 関西電力 電力大手
- 9506 東北電力 電力大手
- 9726 KNT-CT 近鉄系の旅行業界大手
- 9508 九州電力 電力大手
- 2108 日本甜菜製糖 明治HD系でビート糖最大手
- 2002 日清製粉グループ本社 製粉最大手、海外展開を積極
- 9507 四国電力 電力大手
- 9843 ニトリ 家具・インテリア販売チェーン最大手
- 5020 ENEOS 石油元売り最大手
- 7516 コーナン商事 ホームセンター大手
- 3333 あさひ 自転車小売り大手。大型専門店を直営展開
- 3861 王子ホールディングス 製紙国内トップ。板紙1位、洋紙2位
- 9201 日本航空 国内航空最大手
- 2001 ニップン 製粉老舗で業界2位。加工食品、バイオ事業
- 9202 ANAホールディングス国内線、国際線で首位
- 5021 コスモエネルギー 石油元売り大手。
- 3865 北越コーポレーション 総合製紙中堅。上質紙・白板紙が2本柱
- 9531 東京瓦斯 都市ガス最大手
- 3665 エニグモ 輸入サイト大手
- 1333 マルハニチロ 水産最大手。漁業、養殖や国内流通網に強み
- 2802 味の素 総合食品会社で調味料首位。医薬品や飼料など多角展開
- 2883 大冷 業務用冷食の卸売。「骨なし魚」など給食に強み
- 9501 東京電力 電力最大手
- 2503 キリン ビール大手。発泡酒で首位
- 2777 カッシーナイクスシー 伊カッシーナの家具を輸入販売
- 9533 東邦瓦斯 都市ガス大手
- 2501 サッポロ ビール類で国内シェア4位
- 3941 レンゴー 板紙・段ボールの最大手
- 3880 大王製紙 総合製紙大手。家庭用で首位級
- 2871 ニチレイ 冷蔵倉庫と冷凍食品でトップ
- 5019 出光興産 石油精製元売り大手。石油化学に強み
- 9532 大阪瓦斯 京阪地盤の都市ガス2位
- 9502 中部電力 電力大手。中部財界の重鎮
- 2060 フィード・ワン 配合飼料大手。日配飼と協同飼が統合、全農に次ぐ
- 2698 キャンドゥ イオン系。100円ショップ大手
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円高メリット銘柄 本命株・出遅れ株
それでは円高メリット銘柄のなかでも、特に本命視されそうな銘柄をピックアップしていこう。出遅れ銘柄などもあれば追記していくつもりだ。なお、この項目は当方の主観を含む内容のため、参考までに願う。※追記で本命株があればその都度記載していくぞ。
本命 2788 セリアHD
時価総額:224,259百万円
PER:(連) 22.35倍
PBR:(連) 2.34倍
≪2023/1/08時点≫
セリアHDは東証スタンダード上場、2007年に開始した「セリアカラー・ザ・デイズ」業態が成長を牽引、100円ショップ業界2位の企業だ。
100円ショップは安さを売りにして消費者に様々な製品を提供しているが円安による原料高の影響となっていたが円高となれば業績面の改善が期待がもてる。行動制限緩和でトラベル用品やメイク関連上向き、ショッピングモールやファッションビルに加え、食品スーパーや総合スーパーの店舗でも復調傾向からも◎
本命 2053 中部飼料
時価総額:31,496百万円
PER:(連) 27.89倍
PBR:(連) 0.5倍
≪2023/1/08時点≫
中部飼料は東証プライム上場、飼料雑穀商・平野商会を1949年に改組して設立。鶏・豚・牛・魚の飼料製造販売が主力。配合飼料売り上げは非全農系で3位。飼料が売り上げの8割強を占めるが、畜産物、畜産用機器の販売も手掛ける企業だ。伊藤忠商事グループ、日本ハムグループとそれぞれ資本業務提携。
昨年から上昇傾向にあった主原料のとうもろこし価格が、ロシアによるウクライナ侵攻 の深刻化で上昇。また、日米金利差の拡大などを背景 に、急速に円安が進み業績面は売り上げ減少が続いていたが円高となれば業績面も期待。株主還元に積極的。
本命 ハビックス
時価総額:2,878百万円
PER:(連) 54.32倍
PBR:(連) 0.44倍
≪2023/1/08時点≫
ハビックスは東証スタンダード上場、衛生用に特化した原紙と不織布(パルプ、化合繊)が2本柱。化合繊不織布は紙おむつ表面材用、パルプ不織布は外食産業向けおしぼりやクッキングペーパー用が中心。クッキングペーパーは一部OEM供給も行う。国内にパルプ不織布の販売子会社を持つ。
主要原材料であるパルプ、燃料、化学系の資材の価格は、かつてない高値で推移したうえに急激な円安の進 行が重なり、調達価格は高騰となり業績は下方修正となったが主力製品である業務用クッキングペーパーやおしぼり向け製品の販売が回復基調で推移、化合繊不織布は、一部販売先へのベビー用紙おむつ向け製品の販売が増加となっている。円高となればさらなる業績期待もできるだけに円高メリット本命株と言えるだろう。
本命 3665 エニグモ
時価総額:28,144百万円
PER:(連) ---倍
PBR:(連) 2.61倍
≪2023/1/08時点≫
エニグモは東証プライムに上場、個人がバイヤーとなり、アパレル中心に世界中のブランド品などを販売するソーシャルショッピングサイト「BUYMA(バイマ)」の運営企業だ。サイトを通じた売買で発生する、出品者と購入者双方からの手数料収入が収益柱とする。
海外の人気製品を輸入を主力していることからも円安で新規会員やリピート購入者が減少となっていたが円高進行は同銘柄にとって恩恵は高いだけに円高メリット本命株と言えるだろう。
本命 3038 神戸物産
時価総額:1,010,952百万円
PER:(連) 38.19倍
PBR:(連) 8.52倍
≪2023/1/08時点≫
神戸物産は東証プライムに上場、業務用食材を販売する「業務スーパー」を全国でFC展開、冷凍品など食材販売、総菜店併設で中食に強みをもつ企業だ。利益柱はPB商品で国内25工場、中国の自社加工工場などで生産。海外45カ国から原材料輸入。
冷凍野菜や飲食店などの業者向け商材の出荷が増加しているが、同社は「円高が進んだ場合は輸入商品の仕入れに大きなコストメリットがあると記載しており、円高により営業利益の押し上げが期待できることからも円高メリットの本命株と言えるだろう。
FOMC通過からドル円は128円台に!円高進行はまだ続きそうな動き!
2月の米FOMCで利上げ幅を0.5%から0.25%に減速したが、これにより為替相場は円高方向に向いてきているな。
金利格差の影響からドル円が150円という驚異的な円安となっていたが、日銀の介入などもあり円安は一服、米FOMCでFRBが政策金利を0.25%とし、今後利下げも視野に入っている事からドル円は128円と円高方向になっている。「2023年は円高ドル安の年」と言われているが、FRBが利下げに向いていく可能性を考えてもドル円は120円近辺まで円高となってもおかしくないだけに円高メリットの高い銘柄は注目しておくべきだろう。
本命 2698 キャンドゥ
時価総額:37,951百万円
PER:(連) ---倍
PBR:(連) 2.97倍
≪2023/2/03時点≫
キャンドゥは東証スタンダード上場、2022年1月5日にイオン株式会社の子会社、100円ショップチェーンを日本全国で店舗を持ち、海外併せても1253店舗を運営する100円ショップで業界3位の企業だ。
イオン株式会社の子会社となり、イオングループとの協業によるシナジーを最大限発揮する為、「販路の拡大」、「商品・ブランドの差別化」、「企業価値の向上」を掲げ、ユーザー満足の最大化に向けて取り組んでいる同社だが第4四半期連結会計期間末における店舗数は1,252店舗(直営店836店舗〔委託店含む〕FC店409店舗、海外FC店7店舗)となっている。
直近の決算では急激な円安進行やウクライナ情勢の影響による商品原価率の上昇や水道光熱費の高騰から出店が当初計画を下回ったことで下方修正を発表したが、要望の多い他価格商品の拡充を行いプロダクトミックスさせることにより原価低減を図り、オペレーションを効率化させることにより販管費の抑制するとしており、政府が新型コロナウイルスも2023年5月8日に、季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行する方針など行動制限解除で来店客数の増加する見込みは十分。100円ショップの商品はインバウンド人気も高い。24年2月期は積極出店継続とイオンクループとの協業も進めており、為替市場が円高方向に向けば業績の大幅な改善となる可能性も!
円高関連銘柄 まとめ
為替相場は異常な円安進行から日銀の実質的な利上げから円高方向に向いている。欧米でのインフレも若干ではあるが落ち着いてきており、これ以上に金利格差がでるのも考えにくいだけに円高進行していくと言われている。為替市場は株式市場に大きな影響を与える傾向があるだけにチェックしておくべきと言えるだろう。