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コクヨが敵対的TOB、ぺんてるとの仁義なき戦いに!
文房具メーカーの最大手【7984】コクヨはぺんてるは、筆頭株主だった投資会社マーキュリアインベストメント(東証1部)が運営するファンドに101億円出資して、実質的、ぺんてるの株37.45%を抑え持分法適用関連会社となった。
勿論、ぺんてる側はいきなり資本関係のある筆頭株主が全ての株を秘密裏に売却して、30%以上の株を同業他社に持たれるなど寝耳に水だ。さらにコクヨは今度は3500円で公開買い付けして、過半数を保有、連結子会社化するというのだ。ぺんてる側はいきなりのこの動きに猛反発。提携業務を拒否した。
敵対的TOBとは?
買収する対象企業の同意を得ずに、既存の株主から株式を買い集めて企業を買収すること。
対象企業の株式の3分の1以上の取得を目標に買収活動を行なう。3分の1の株式を保有することで株主総会の特別決議を拒否する事ができ、過半数を取得することで子会社化とする事もでき経営権を支配する事ができるものだ。
コクヨの敵対的TOBに待った!非上場大手文具メーカープラスがホワイトナイト!
ホワイトナイトとは?
敵対的TOBを仕掛けられた対象会社に対して友好的に買収または合併する会社のことをいいます。企業防衛策の一つで、ホワイトナイトとはその名の通り白馬に乗った騎士が企業を助けるといったものだ。
プラスは、オフィス家具や文具を手掛ける非上場企業だが、連結売上高は2018年12月期で1772億円とコクヨの半分程。このホワイトナイトにより、コクヨは公開買い付け価格を3500→3750円に引き上げ!
コクヨVSぺんてる&プラスの戦いに
非上場文房具メーカー、プラスがホワイトナイトとなった事からコクヨVSぺんてる&プラスの戦いとなり、ぺんてる株の争奪戦が起こっている。このホワイトナイトによりコクヨは公開買い付け価格を3500円→3750円に変更!
コクヨはすでに、ぺんてるの株式の過半数の取得を目指すと発表しているが、これに対して「プラス」はぺんてるの株主に対して最大で33.4%の株式を買い取ると提案。ぺんてる経営陣はこのプラスの動きは友好的なTOBとみている。
つまりぺんてるにとって
・最大手のコクヨの株式買収は敵対的TOB
・ぺんてるにとってプラスは友好的TOB
上記の形となる。
何故、コクヨはぺんてるを買収したいのか?
今回の買収だが、10月にコクヨ側に差出人不明の文書が届いた事が発端だ。コクヨの黒田社長は、会見で「第三者との資本業務提携に関する具体的な内容が書かれていた。ぺんてるの経営陣に真偽の確認を求めたが、回答を得られず、明確に否定をしなかった。提携協議を進めていたのに、裏切り行為だ」と述べている。
この決意表明後、ぺんてるの和田優社長は株主に対して、「コクヨからの株式の買い取りの要請に応じないよう文書で依頼」そして「子会社化は絶対に避ける」と明言しているのだ
プラスの株式の買い取り期間は来月10日まで、コクヨの買い取り期間は来月15日までで、株式を奪い合う水面下の攻防が続くだろう。
コクヨの株価の行方は?
時価総額:207,790百万円
PER:(連) 13.26倍
PBR:(連) 0.89倍
≪2019/11/24時点≫
勿論、今回の買収となればコクヨが単純にぺんてるを連結子会社にする為、業界最大手の立場をゆるぎないものにするだろう。そして年商3200億のコクヨからすれば、今回の買収での費用は既に100億使っているが過半数となる残り13%を買うとなると残り40億程。コクヨにとってはそこまでの金額ではない。
今回のコクヨの敵対的TOBにはリスクがあるぞ!
文房具メーカーのプラスとぺんてるは非上場会社な為、株価として反映はされないが、コクヨは上場企業だ。
コクヨがぺんてる側の株式を50.1%手に入れる事を成功しても、ぺんてるは既に敵とみなし、プラスに助けを求めている。強引に引き入れたとしても連結子会社化の効果は薄れ、ぺんてるの社員からしても親会社から急な社員を送られたり、リストラなどの心配まで考えたらテンションが上がるわけがない。
そしてコクヨがぺんてるを子会社にしたとしても、ぺんてるがコクヨの監査法人の監査を受け入れないなどの事態となったら、決算を提出できないという事態にもなる。その場合、コクヨ程の企業として決算報告書を提出できない事態などとなった場合は、上場廃止という可能性もゼロではない。
先を見据えての今回のTOBなのだろうが、コクヨにとっても非常にリスキーなTOBという事は投資家ならば認識するべきだろう。12月15日までにどのような展開になるのか…また情報を入手したら記載していこう。
今の投資の流れ的にとにかく注目を集めるテーマ株に参戦していくべきだぞ