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最近、パワー半導体関連銘柄に注目が集まっている。世界でEV(電気自動車)への移行だけに、パワー半導体の需要は今後爆発的に加速していく見込みとの話だぞ。
パワー半導体は、電気自動車だけでなくさまざまなIT機器に使用される電子部品である。パワー半導体は今後、大きく需要が高まる可能性を秘めた電子部品のため、株式市場の世界でもアツい視線が注がれている。
息の長いテーマ株として注目されそうなため、このページではパワー半導体関連銘柄について、本命・出遅れ 一覧をわかりやすくまとめて紹介していく。
まとめると…パワー半導体に注目!
パワー半導体関連銘柄とは
パワー半導体関連銘柄とは、その名の通りパワー半導体の製造・販売などを手掛けるメーカーに加え、パワー半導体の製造装置・パワー半導体の素材となる部材メーカーなどの総称である。
まずパワー半導体について説明しよう。一般的に「半導体」というと、パソコンの脳部である「CPU」や「メモリ」に使用される電子機器というイメージが強いが、「パワー半導体」は電力の制御・供給を行う半導体のことである。例えば電流を「交流→直流に変換」・「直流→交流に変換」・「電圧を5Vから3Vに降圧する」ことなどができる。
一般的なCPUやメモリなどに使用される半導体が「脳」だとすれば、パワー半導体は「筋肉」にあたるものだ。IT機器にパワー半導体という筋肉があることで、細やかな電力制御ができる。つまりさまざまなIT機器の省エネ化のカギを握る電子部品ということができる。
IoT時代へ突入するにあたり、今後身の回りの様々なものがインターネットに接続されることになっていくだろう。もちろんIOT化の流れにより半導体の需要も高まるが、同じくパワー半導体の需要も高まる。パワー半導体関連銘柄は今後、息の長いテーマ株となる可能性を秘めているので、しっかりと本命株・出遅れ株 一覧を把握しておくとよいだろう。
まとめると…パワー半導体メーカー・パワー半導体製造装置メーカー・半導体の素材メーカーなどをパワー半導体関連銘柄と総称する。
パワー半導体が活躍する分野
パワー半導体が活躍する分野は多岐に渡る。エアコンや冷蔵庫などの家電製品はもちろんのこと、ロボット・インバーター(モーターの回転数制御装置)などの産業用機械などにも使用される。
また、これからIoT時代へ突入していき、身の回りの様々なモノがインターネットに接続されることになるが、それらのIoT機器にもパワー半導体は利用されると考えてよいだろう。
また、EV(電気自動車)やハイブリッド自動車にもパワー半導体は必需品である。先日、スウェーデンの自動車メーカー「ボルボ」が2020年以降の発売車種はEV・ハイブリッド車に限定する方針と発表したが、これによりEVの市場拡大が期待されている。EVの市場拡大期待は、つまりパワー半導体の市場拡大期待と言い換えても良い。
今後、IoT時代・EV時代の到来によりパワー半導体の活躍場面はさらに増えていくだろう。
まとめると…身近な家電機器から電車・EV・ハイブリッド車、将来的なIoT機器にもパワー半導体が使われる。
パワー半導体の市場規模
富士経済の推計によると、パワー半導体の世界市場を調査したところ 電動車や再生可能エネルギーの普及の影響から、需要拡大が期待されるパワー半導体市場は、2022年見込みの2兆3386億円に対し、2030年は3兆円以上増えて5兆3587億円規模に拡大すると予測しているのだ。パワー半導体の世界市場規模は2014年:2兆4092億円、2020年までに3兆3009億円、そして2030年には5兆円超えという見方を示している。本格的な上昇は2022年以降と言われているだけにやはりパワー半導体関連銘柄は今後、息の長いテーマ株として注目するべきと言えるだろう。
パワー半導体の次世代素材SiC(シリコンカーバイド)・GaN(ガリウムナイトライド)
従来、パワー半導体というとSi(シリコン)素材が主流だったが、Si素材だと耐圧が理論限界値に近付いているらしく、これ以上の改善は難しいとされているようだ。それで現在、次世代のパワー半導体素材として注目されているのがSiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガリウムナイトライド)といった素材のようだ。SiCやGaNは従来のシリコン素材に比べて電力損失が小さいとのこと。
またSiCやGaNといった新素材よりもさらに電力損失が小さい新素材として酸化ガリウム(Ga203)や人口ダイヤモンドにも注目が集まるが、これらはまだ研究段階にとどまっている模様。実用はまだ先の話になりそうだ。
当面はSiC(シリコンカーバイド)やGaN(ガリウムナイトライド)といった素材を使用したパワー半導体に注目が集まるだろう。
まとめると…パワー半導体の次世代素材として当面はSiC(シリコンカーバイド)とGaN(ガリウムナイトライド)に注目!
パワー半導体と近縁のテーマ株
パワー半導体と近縁のテーマ株として、半導体関連銘柄・半導体製造装置関連銘柄がある。半導体関連銘柄・半導体製造装置関連銘柄とパワー半導体関連銘柄は重複する銘柄もあるが、それぞれ注目される場面などが異なる可能性があるので、別ページにまとめてある。
半導体関連銘柄・半導体製造装置関連銘柄 本命・出遅れ 一覧はコチラ≫
またパワー半導体はEV(電気自動車)に使用される電子部品であるため、EV関連銘柄と同時期に注目される可能性もあるかもしれない。EV関連銘柄は併せて注目しておきたいテーマ株だ。
パワー半導体関連銘柄 一覧
- 6963 ローム SiCパワー半導体メーカー
- 6503 三菱電機 パワー半導体メーカー
- 6504 富士電機 パワー半導体メーカー
- 6513 オリジン電気 パワー半導体メーカー
- 6707 サンケン電気 パワー半導体メーカー
- 6752 パナソニック パワー半導体メーカー
- 6971 京セラ パワー半導体メーカー
- 6501 日立製作所 グループ会社にパワー半導体メーカー(日立パワーデバイス)
- 6723 ルネサスエレクトロ 車載用パワー半導体
- 6902 デンソー 車載用SiCパワー半導体
- 3089 テクノアルファ 半導体製造装置 パワー半導体メーカーに納入実績
- 6721 ウインテスト 半導体製造装置(パワー半導体の検査装置)
- 6728 アルバック 半導体製造装置(パワー半導体向け)
- 6338 タカトリ 半導体製造装置(パワー半導体向け)
- 6616 TOREX 半導体製造装置(パワー半導体向け)
- 7433 伯東 半導体製造装置、半導体商社
- 6387 サムコ GaNやSiCなどの化合物半導体製造装置が主力
- 4004 昭和電工 パワー半導体の素材メーカー
- 5401 新日鐵住金 パワー半導体の素材メーカー
- 6973 協栄産業 パワー半導体を取り扱う商社
- 5801 古河電気工業 パワー半導体メーカー米トランスファームと協力
- 6337 テセック パワーデバイス測定システム
- 6844 新電元工業 パワーモジュール(パワー半導体を組合わせパッケージ化製品)
- 6882 三社電機製作所 パワーモジュール(パワー半導体を組合わせパッケージ化製品)
- 6911 新日本無線 パワーデバイス向けに銅太線ボンディング
- 6981 村田製作所 子会社がパワー半導体の米Arctic Sand Technologiesを買収
- 6768 タムラ製作所 酸化ガリウムの100ミリウエハーの量産に世界で初めて成功
- 6281 前田製作所 パワー半導体に使用する次世代接合剤を手掛ける「Mナプラ」とライセンス契約
- 5310 東洋炭素 パワー半導体の素材 SiC分野の技術力に定評
- 6920 レーザーテック SiCパワー半導体(SiCウェハ、透明ウェハ欠陥検査装置を販売)
- 8140 リョーサン ルネサスエレクトロの製品売上が多い、半導体商社
- 9995 グローセル 半導体・電子部品商社、ルネサス製品特約店
- 6298 ワイエイシイ 半導体製造装置などの関連機器を主力展開
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パワー半導体関連銘柄 本命・出遅れ
それではパワー半導体関連銘柄のなかでも特に本命視されそうな銘柄をピックアップしていこう。出遅れ銘柄などもあれば追記していくつもりだ。なお、この項目は当方の主観を含む内容のため、参考までに願う。
本命 古河電気工業
時価総額:356,868百万円
PER:(連) 17.79倍
PBR:(連) 1.72倍
≪2017/07/13時点≫
古河電気工業は光ファイバー・電線・ワイヤーハーネスなどの製造を行う企業で、電線御三家の一角。半導体用UVテープなど半導体とその周辺技術なども手掛ける銘柄でパワー半導体関連で本命視したい銘柄だ。
古河電気工業は次世代半導体材料のGaN(ガリウムナイトライド)に関する特許を2010年時点で130も出願している企業。2014年には米国のパワー半導体メーカー「トランスファーム社」と、古河電気工業が単独保有する関連特許の独占的通常実施権の許諾契約と、トランスファーム社の株式取得に関する契約を締結している。
パワー半導体のなかでもGaN(ガリウムナイトライド)系のパワー半導体市場は今後、大きく拡大することが予想されている。早い段階で米国のパワー半導体メーカーとの協力関係を構築し、両社の製品の強化・育成を図るとのことだ。
また、古河電気工業は2009年6月には富士電機子会社「富士電機アドバンストテクノロジー」と、GaNパワー半導体の共同開発を目的とした技術研究組合を設立している。これは古河電気工業のGaNに関する基礎技術と富士電機のパワーデバイス量産技術・信頼性技術を補完しあい次世代パワーデバイスの早期市場投入を目指すものだ。
まさにパワー半導体関連の本命たる銘柄と言えるだろう。ただし、古河電気工業は時価総額の規模が大きく株価の値動きは軽くなく短期スタンスでの取り組みは向いていない。数年後のパワー半導体需要を見越して、どっしり腰を据えて取り組むなら面白い銘柄と言えるかもしれない。
本命 ローム
時価総額:1,023,040百万円
PER:(連) 34.76倍
PBR:(連) 1.34倍
≪2017/07/13時点≫
半導体といえばローム!というほど有名な銘柄ではないだろうか。半導体・電子部品を手掛けるロームも、パワー半導体関連銘柄の本命株として注目したい。ロームは次世代パワー半導体の一つ「SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体」に強みをもつ銘柄だ。やはり、従来のSi(シリコン)パワー半導体よりも、電力損失が少なく省エネを実現するSiC・GaNのパワー半導体を手掛ける銘柄に注目だ。ロームはSiCパワー半導体で世界を牽引する存在とも言える。
ただし、ロームもやはり時価総額の巨大な企業で値動きはけっして軽くはない。短期でのトレードは向かないが、数年後のパワー半導体の需要拡大を見越し予め仕込んでおくのは面白いかもしれない。
本命 村田製作所
時価総額:3,815,965百万円
PER:(連) 20.71倍
PBR:(連) 2.66倍
≪2017/07/13時点≫
電子部品大手の村田製作所もパワー半導体関連銘柄の一角として注目したい。村田製作所は2017年03月に、アメリカの子会社Peregrine Semiconductor(ペレグリンセミコンダクター)が、米Arctic Sand Technologies(アークティックサンドテクノロジー)を買収する契約を締結している。
米アークティックサンドテクノロジーは小電力パワー半導体を設計・販売するメーカーで、業界をリードする電圧変換効率を高める技術を有する。この米アークティックサンドテクノロジーの技術と村田製作所のモジュール技術を組み合わせることで、幅広い小電力領域においてソリューションを提供することが可能という。
村田製作所も時価総額の規模が大きい銘柄なので、値動き妙味としてはやや面白みにかける。こちらも中長期スタンスで取り組みたい銘柄といえよう。
本命 テクノアルファ
時価総額:2,520百万円
PER:---倍
PBR:(連) 1.75倍
≪2017/07/13時点≫
テクノアルファもパワー半導体関連銘柄の一角として注目したい。テクノアルファはパワー半導体向けの半導体製造装置が主体の商社であり、自動車向けデバイスや各種パワー半導体メーカーに多くの納入実績のある銘柄だ。
今後、パワー半導体の需要が拡大していけばテクノアルファにとっては大きなビジネスチャンスとなる可能性がある。
テクノアルファは、パワー半導体関連銘柄のなかでも特に時価総額の規模が小粒な銘柄であり、値動き妙味としては非常に面白い。短期スタンスでの値動き妙味では、パワー半導体関連の本命銘柄とも言えるかもしれない。注目だ。
本命・出遅れ テセック
時価総額:5,345百万円
PER:(連) 14.51倍
PBR:(連) 0.62倍
≪2017/07/13時点≫
テセックもパワー半導体関連銘柄の一角として注目したい銘柄だ。テセックは半導体用ハンドラ(選別装置)で国内上位。個別半導体用テスター(測定装置)は世界でもトップクラスの企業だ。手セックはパワー半導体(パワーデバイス)の測定システムなども手掛けていることから、パワー半導体関連銘柄として注目。
テセックも時価総額の規模は小粒。人気化すれば火柱が立ちやすい部類の銘柄と言えるだろう。個人的には半導体製造装置関連としてもパワー半導体関連としても出遅れ感を感じる銘柄。今後の推移にも注目したい。
本命 サムコ
時価総額:7,641百万円
PER:(単) ---倍
PBR:(単) 0.95倍
≪2017/07/13時点≫
サムコはパワー半導体関連の本命株として注目したい。サムコは半導体などの電子部品製造装置の研究開発を行う企業で次世代パワー半導体素材といわれる「SiC(シリコンカーバイド)」や「GaN(ガリウムナイトライド)」系の化合物半導体の製造装置を手掛けている。
こちらも時価総額の規模はまぁ小粒なほうで値動き妙味も面白い。事業内容からも注目したい銘柄だ。
出遅れ オリジン電気
時価総額:10,318百万円
PER:(連) 29.33倍
PBR:(連) 0.48倍
≪2017/07/13時点≫
オリジン電気は電源3社の一角を占める電気機器メーカーで、半導体デバイスも手掛けている。半導体デバイスでは、高速・高耐圧・低損失・複合化を技術開発の目標に掲げ、パワー半導体の開発を目指すとしている。
パワー半導体の技術開発に加え、自動社・産業機器向けのカスタムモジュールやスナバーモジュールなどの製品も手掛けている。時価総額の規模はさほど大きくないので、短期スタンスで取り組むとしても面白そうだ。個人的には出遅れ感アリとみている。
本命 サンケン電気
時価総額:68,016百万円
PER:(連) 26.27倍
PBR:(連) 1.21倍
≪2017/07/13時点≫
サンケン電機は電源3社の一角を占め、その中でも最も事業規模が大きく中心的な存在だ。サンケン電気は創業から60年以上の歴史をもつ半導体メーカーで、パワー半導体が中心。サンケン電気も「SiC(シリコンカーバイド)」「GaN(ガリウムナイトライド)」を使った次世代パワー半導体を開発してきておりSiCデバイスについてはすでに量産しているようだ。
まさにパワー半導体関連ど真ん中の事業内容であり、パワー半導体関連銘柄の本命株として注目したい。
サンケン電機はおなじく電源3社の一つ「オリジン電気」と比べて、時価総額の規模は大きいものの値動きが重いというほどでもないだろう。
本命・出遅れ ウインテスト
時価総額:2,217百万円
PER:---倍
PBR:(単) 1.98倍
≪2017/07/13時点≫
ウインテストはタカトリの傘下企業で半導体製造装置関連銘柄のページでも本命株の一角としてピックアップした銘柄だ。ウインテストは半導体・液晶向け検査装置が主力、つまり半導体製造装置を手掛ける銘柄だ。パワー半導体向けの製造装置も手掛けており拡大方針の模様。
ウインテストは時価総額の規模がかなり小粒。値動き妙味としては面白い銘柄と言える。人気化すれば火柱が立つ可能性もあるので、パワー半導体関連銘柄・半導体製造装置関連銘柄が注目されるタイミングでは注視しておくと良いかもしれない。
【2017年11月27日(月)追記】
本命・出遅れ 前田製作所
時価総額:26,887百万円
PER:(連) 26.78倍
PBR:(連) 2.62倍
≪2017/11/27時点≫
前田製作所もパワー半導体関連銘柄の本命・出遅れ株として注目したい。前田製作所は前田建設系の企業で、前田建設がグループとあわせて約40%を出資する「Mナプラ」とライセンス契約を結んでいる。
「Mナプラ」という会社は、高熱を発するパワー半導体が性能を発揮するために必要不可欠な関連材料である高温対応の次世代接合材の量産体制を確立、販売を開始している。前田建設工業グループの前田製作所はMナプラとライセンス契約を結び、次世代接合材料の量産体制を構築している会社だ。
パワー半導体の需要が高まれば、パワー半導体に必要な接合剤に絡む前田製作所にとってもビジネスチャンスとなるだろう。
前田製作所の時価総額規模は小粒とまではいかないまでも、十分値動き妙味のある水準だ。パワー半導体関連銘柄の出遅れ株として注目。
【2018年02月22日(木)追記】
出遅れ株 東洋炭素
時価総額:83,282百万円
PER:(連) 25.18倍
PBR:(連) 1.38倍
≪2018/02/23時点≫
パワー半導体関連銘柄の出遅れ株として東洋炭素にも注目しておきたい。東洋炭素は特殊黒鉛(等方性黒鉛)という炭素原料を手掛ける企業で、炭化ケイ素(SiC:シリコンカーバイド)における技術力にも定評がある会社だ。
当ページにも前述したが、炭化ケイ素(SiC:シリコンカーバイド)はパワー半導体の素材として注目されており、この分野における技術力に定評がある東洋炭素はそれだけでも関連銘柄の一角として注目。さらに、同社は2020年にもSiCウエハーの量産を開始する方針とのことでますますパワー半導体関連銘柄としての立ち位置が高まっている格好と言える。
パワー半導体は今後、自動車EV化や、将来的にはIoT機器などさまざまな家電製品にも活用されることが期待されている。東洋炭素の時価総額規模はそこそこの大きさで値動きはさほど軽くはないが、パワー半導体の将来の市場規模を考えれば、まだ値動きに期待できるのではないだろうか。
東洋炭素はパワー半導体関連銘柄としては出遅れ銘柄といえるだろうし、引き続き注目だ。
【10月27日(日)パワー半導体市場調査の追記】
2019年下半期 パワー半導体の期待の本命銘柄は?
自動車の電装、情報通信機器などの分野で次世代(SiCやGaN)の需要増加が期待される話は上記で説明しているが、やはりパワー半導体セクターは今後も需要高に期待せざるを得ない発表があった。
富士経済による、パワー半導体の世界市場の調査
パワー半導体の【2030年】市場予想
■SiC 4,230億円(10.8倍) GaN 1,085億円(60.3倍)
※~SiCが先行して市場拡大。2022年以降はGaNの本格普及に期待~
■Si 4兆2,567億円(45.1%増)
自動車・電装分野でパワーモジュールが大きく伸びる
やはり、当初予想していた通り【自動車や電装】分野でのパワーモジュールが大きく伸びる見通しに。
パワー半導体市場は堅調に拡大の一途を辿っているが、2018年時点での合計は3兆円弱という結果に。2018年後半より米中摩擦などの一因で中国の市場悪化が響いた為、産業分野などでは需要がどうしても低調にならざるを得なかった。だが、中長期視点では自動車電動化が促進され、特に電装分野の需要高は今後も継続想定。更に言えば、電鉄車両分野や情報通信機器分野は電力損失低減による効率化を図る為、採用機運は高まる一方と言える。
【SiC パワー半導体】
中国や欧州のプラットフォーム拡大を中心に、2018年は2017年比41.8%増の390億円のシェアに。その中でもSiC-SBD(ショットキー・バリア・ダイオード)が7割を占め、情報通信機器分野を中心に需要が増えていて、特に6インチウェハー投入の動きにより低コスト化が進んでいる為、更に加速度的な伸長が期待される。
また、ポジティブな話題として注目したいのは、【2022年頃】から海外自動車メーカーが駆動用インバータモジュールにSiCパワー半導体を採用予定という点。中国や欧州の需給高は前途したが、先立って中国欧州が大型商用車や高級車までの採算が広がり、2025年には大衆車での採用を拡大するとの事。現在は、駆動用インバータモジュールなどは【Siパワー半導体】が使われているが、これが【SiCパワー半導体】への置き換えも促進される見通し。
※SiC-SBD(ショットキー・バリア・ダイオード)とは
電源の高効率化や高周波駆動によるコイル等の受動部品の小型化、ノイズ低減に貢献。力率改善回路(PFC回路)や整流ブリッジを中心に、エアコン、電源、太陽光発電パワーコンディショナー、EV急速充電器などに応用が広がっている。
【酸化ガリウム系パワー半導体】
以前、ガリウム系パワー半導体については【研究段階にとどまっている】という事を申し上げたが、2020年頃にはFETのサンプル出荷が予定された。その後、実用化が進む流れが濃厚だが、量産開始のスタートは、【民生機器分野】などの【電源向け】での採用が予想される。
製品としては600V・10A製品展開が想定され、以降は電流値の向上により産業分野への採用、拡大が期待される。
~パワー半導体銘柄の過渡期は2020年~2022年か?~
東京五輪が2020年に確定したのは平成25年ですので2013年の事です。既に6年の歳月が経過した訳ですが、その時に物色された銘柄は五輪関連として、インフラ設備関連、インバウンド関連、ホテルや運行などの五輪に関連するであろうセクターの打診が一気に入り、相場も活況になった。
つまり、このパワー半導体セクターも市場の拡大と共に注目度が増し、一つの市場テーマとして大きく知名度を上げて来る可能性がある事は以前の記事でお伝えしているが、いよいよその打診が目前とも言える状況になったと言える。特に前途している≪【2022年頃】から海外自動車メーカーが駆動用インバータモジュールにSiCパワー半導体を採用予定≫というのは、先行して思惑が走ってもおかしくない材料に化ける可能性が高いだろう。
出遅れ株 ウインテスト
時価総額:7,203百万円
PER:(連) 17.99倍
PBR:(連) 22.24倍
≪2019/10/27時点≫
同社は、デジタルカメラなどに使われるCCD、CMOSセンサー向け検査装置の開発・設計が主柱だが、小型フラットパネル向け検査装置にも力を注いでいる。
パワー半導体、引いては半導体だけではないが、どの生産過程でも検査を経て商品になったり実用化へ至るものなので、パワー半導体が注目されるとその前の肯定の検査をする企業というのも思惑が走りやすいのは言わずもがな。株価は2019年8月辺りまでは低迷していたものの、世界的な半導体市況の回復観測から収益環境の風向き変化が意識されつつあり、9月末辺りには高値339円を付け、今後も注目を集めそう。2014年に872円もあった銘柄。そこまで到達しなくとも、パワー半導体のテーマ浮上で高値に迫る上昇が期待される。
本命株 協栄産業
時価総額:4,611百万円
PER:(連)22.01倍
PBR:(連) 0.33倍
≪2019/10/27時点≫
同社は、1947年設立の三菱電機系半導体商社で、半導体・電子デバイス、電子材料、FAシステムの販売が主力の企業。うち半導体は情報通信機器、自動車関連、家電向けなどに強みあり。
2019年10月、京都大学発のベンチャー企業であるFLOSFIAと国内販売代理店契約を発表。契約に基づき、FLOSFIAが開発したコランダム構造の酸化ガリウム(Ga2O3)を用いたパワー半導体「GaOパワーデバイス」の販売を開始。このパワーデバイスは、バリガ性能指数が、Siの約7000倍、SiCと比較しても20倍の物性値。今でこそパワー半導体というワードが公になっていないだけであって、前途した様に、今後2020年~2022年の過渡期予想の間に市場の一大テーマと化けた時、この好材料は株価大化け要素に拍車をかける未来の好材料と考える事ができないだろうか。新たにパワー半導体関連銘柄として追加。
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【2021年01月15日(金)追記】
今、世界で半導体不足が危機的な状況となっている!
この半導体不足の背景には、5Gの普及や巣ごもりでパソコン、ゲーム機器が需要拡大、環境問題への改善から自動車メーカーがEV(電気自動車)やハイブリッド車生産計画の前倒しで進めた事などもあり半導体が需要が急拡大。
「半導体メーカーは、5Gなどのスマートフォンへの供給を優先」した事で世界各国の自動車メーカーに、半導体が回ってこない状況となっているのだ。
車載半導体の用途は、駆動装置・パワートレイン系からブレーキやエアバッグなどの安全系からパワーウィンドウやエアコンまで多岐にわたる事から自動車メーカーにとっては打撃が大きい状況となっている。
半導体不足で世界の自動車メーカーが悲鳴!
独フォルクスワーゲンや米国フォード、国内では【7203】トヨタ自動車、【7201】、日産自動車、【7267】ホンダ【7270】SUBARUなどが半導体不足を理由に減産の方針を示しているが、既に英国のホンダの工場では、1月18日から1月21日までの生産停止が決定。
自動車メーカーは、これ以上の逼迫とならない様に、半導体確保に向けて全力で動いているとの事だが、世界で半導体の奪い合いが起こっている状況と言っても過言ではないだろう。
そもそも半導体とは、一定の電気的性質を備えた物質で、電気を通す「導体」と、電気を通さない「絶縁体」とがあり、半導体はその中間の性質を備えた物質なのだが、5G、スマートフォン、パソコン、ゲーム機、クラウド、データセンター(サーバー)、AI、IoT、EV(電気自動車)、自動運転車など、DX(デジタル・トランスフォーメーション)などの今後の電子機器の発達には、「半導体が不可欠といえる!」
新型コロナウイルスの流行から、世界で殆どの業界がデジタル化を進めている事から、半導体産業の収益見通しを改善・拡大しているが、10カ月連続でプラスを記録して2020年11月での半導体世界売上高が日本円で4兆円程の売上となっている。
今後の製品に必要不可欠な半導体の材料提供の企業は業績アップの期待!
半導体企業はこの需要から昨年から株価が上昇しているものが多いが、世界で引く手あまたの状況となれば、さらなる需要拡大で売上増加、そしてチャートもさらなる勢いがつく可能性は高いと言える。
世界の半導体出荷量に占める日本企業のシェアを見ると10%に満たないわけだが、半導体材料のシリコンウエハーや半導体部材・部品は日本企業のシェアは5割に達するとの試算もでている事から、大きなビジネスチャンスがあると言えるだろう。
そこで当方は、半導体不足で需要拡大、業績アップが期待される「半導体に使われる材料」を提供する企業を記載するぞ!
5310 東洋炭素
時価総額:43,098百万円
PER:(連) 19.57倍
PBR:(連) 0.65倍
≪2021/01/15時点≫
東洋炭素は東証1部に上場する、「大型等方性黒鉛」の量産化に成功した先駆者、半導体などに使う単結晶シリコンウエハー製造用の部材では世界首位のシェア4割を誇っている企業という事からも「半導体素材のまさに本命銘柄」と言える。
まず業績面だが、2020年11月6日の決算では20年12月期第3四半期累計(1-9月)の連結経常利益は前年同期比29.0%減の30.5億円に減っているが、第3四半期通期で通期計画の32億円に対する進捗率は95.4%と高い進捗率となっている。
半導体は、携帯電話やパソコン、家電製品から産業機器、電車などの交通インフラなど、あらゆる電機・電子機器になくてはならない部品だけに世界首位のシェアを誇っている同社は今後の業績面も上向きな期待は高い。
チャートを見ても押し目を挟みながらも堅調な推移、PER19.57倍、PER0.65倍と割安感もあり、貸借倍率1.08倍と空売りも多く買戻しの動きが起こればさらなる一段高も!
【2021年02月02日(火)追記】
6920 レーザーテック
時価総額:1,330,381百万円
PER:(連) 90.89倍
PBR:(連) 28.15倍
≪2021/02/02時点≫
レーザーテックは東証1部に上場する、液晶・半導体検査装置を主力にマスクブランクス検査装置でシェアを独占している企業だが、データセンター増設需要や、5G関連投資などの世界的半導体需要の拡大を背景に、ニッチ分野での独占的な商品シェアで収益拡大を加速させている。
2月1日の取引終了後に上半期決算を発表し、営業利益が121億円(前年同期比50.9%増)と大幅増益、通期予想を従来の170億円から200億円に上方修正し、過去最高利益予想が更に上乗せされる格好となった。
堅調な半導体需要で主力製品のマスク欠陥検査装置の販売が好調に推移しているようで、好業績を背景に株主還元にも前向き。今期配当についても従来計画の49円から55円に増額したが、昨年後半からの大幅な株価上昇で、好決算は既に織り込み済みの面が強く、決算発表翌日は出尽くし感が広がった。
ただ、同社ではSiC(炭化ケイ素=シリコンカーバイド)ウェハ、透明ウェハ欠陥検査装置が販売されており、SiCパワー半導体は電気自動車向けに需要が拡大している。
現在の環境面を考えると深押しする場面では買い意欲も旺盛だと思われ、テーマ的にも息の長いものになりそうだ。
【2021年04月19日(月)追記箇所】
週明けの日本株は「日米と中国の経済関係の悪化、新型コロナウイルスの感染者の拡大が止まらない事」が懸念軟調推移でのスタートとなったが、菅総理が「アメリカの製薬大手、ファイザーのブーラCEOと電話で9月中に日本への新型コロナワクチンの供給を示し、実質的に合意はなされている」との発言が好感されて上昇。
だが国内では東京都、大阪府が政府に緊急事態宣言を要請している事などもあり、経済への影響が避けられない事への不安から上値を積極的に追う姿勢とはならず先週に続き重たい展開となっているな。
日米首脳会談では、「半導体関連への投資」、「脱炭素への日米でリーダーシップ取り組み」、「オリンピック開催」、そして「ワクチンの確保」という面では評価できるが、中国への反発という姿勢を明確にした事で、「自動車業界や情報通信産業もデメリットを被る可能性」という面が投資家への不安要素となっていると言える。
半導体への投資を世界が積極的に展開していく!
バイデン大統領は2兆ドルを超える巨額の成長戦略投資を打ち出しているが、約6500億ドルを半導体などデジタルインフラへの設備に充てるとしている。
直近でもバイデン米大統領はサムスン電子など世界の主要半導体関連企業19社をホワイトハウスに呼び集め「半導体価値同盟」を構築して、中国をけん制する為にグローバルサプライチェーン再編を加速すべきだと強調している。
韓国でも「グローバル半導体サプライチェーンを主導すべき」として文在寅(ムン・ジェイン)大統領は述べているが、日本でも、国内の半導体需要の6割超を輸入に頼っている状況となっている事から政府は成長戦略会議を開き、「世界的な供給不足に陥った半導体の安定的な確保に向け、国内投資を支援する方策を議論している。」
今世界ではまさに「半導体の争奪戦」が行われている状況となっているのだ!!
日本は【7203】トヨタ自動車など自動車産業は経済の屋台骨と言えるが、その自動車メーカーがパワー半導体不足で工場がSTOPするなどの問題となっている。
経済の立て直しの為にも、今後政府から大規模な投資が行われる可能性が高いと言えるが、特に「不足が懸念されている車載用のパワー半導体への投資は積極的に行われる」と見ていいだろう!
パワー半導体の有力銘柄は、【6503】三菱電機、【8035】東京エレクトロン、【6146】ディスコ、【6723】ルネサスエレクトロニクス、【6882】三社電機製作所、【8155】三益半導体工業、【6920】レーザーテック、【6963】ローム、【6590】芝浦メカトロニクスなどあるが、この中でも当方が注目するパワー半導体関連銘柄で伸びしろが高いと見ている有望銘柄を記載するぞ!
6882 三社電気製作所
時価総額:13,993百万円
PER:(連) 57.18倍
PBR:(連) 0.71倍
≪2021/04/19時点≫
三社電気製作所は東証2部に上場、パナソニックが23.95%保有して筆頭株主となるパナソニック系の電源機器メーカー。電源機器とパワー半導体の開発・生産・販売を主力事業とし金属表面処理用で首位の企業だ。
同社は、「パワー半導体技術と電源機器技術の融合」をコンセプトに様々な電源機器用パワー半導体と、大電力から小電力までの多様な産業用電源機器を国内外に提供している。
時価総額がパワー半導体の中では140億円と小粒なところも強い買いが入れば大きく変動しやすいという点も魅力の一つと言えるだろう。
筆頭株主でもあるパナソニックとSiCパワーモジュールについては、筆頭株主であるパナソニックと共同開発するなど連携体制を強化しており、小型で長期信頼性に優れたSiC-MOSFETモジュールのニュータイプを新規開発している。
1月29日の決算では新型コロナウイルスの影響で国内やその他の海外地域向けは低調な状態が続いた事で21年3月期業績予想を下方修正しているが、2月25日に配当修正を発表しており21年3月期の年間配当を前期比2円増配の15円と発表している事からも、5月7日に決算を控えているが業績面は回復している可能性は高い。
パワー半導体への高い期待からもチャートは直近の高値ラインまで上昇しているが、週足、月足を見ても、もう一段高となれば、株価は大幅上昇の期待がもてるだけに注目の銘柄と言えるだろう。
【2021年5月6日(木)追記更新】
6504 富士電機
時価総額:756,936百万円
PER:(連) 17.24倍
PBR:(連) 1.74倍
≪2021/05/06時点≫
富士電機は東証1部に上場する、古河機械金属・古河電気工業・富士通と共に古河グループに属する重電の大手企業だ。
EV(電気自動車)の中核部品となるパワー半導体とパワーエレクトロニクス技術で高い技術を誇っているが、デジタル分野のテクノロジー企業として世界屈指の独シーメンスと提携関係。同社のパワー半導体は需要が急拡大している。
業績面は、パワー半導体の特定分野向けの一部の製品の不具合に関する対策費用として 167億円の特別損失を計上などもあったが、1-3月期のパワー半導体受注なども好調な事で営業利益は486億円で前期比14.3%増益、コンセンサスを60億円程度上振れる着地となっている。
好決算で増配も発表しているが、チャートは決算発表後に出尽くしで売られる動きとはなっているが、各機関のレーティングだが、4月28日に野村は目標株価を「5000円→5900円」、マッコリーは目標株価を「5600円→5700円」としている。
同社の北沢通宏社長は半導体のウエハーをつくる「前工程」で主力の8インチのウエハーを製造する生産ラインの処理能力を23年度を目途に倍にする計画を立てているが、EV(電気自動車)の市場拡大はこれからが本格的と考えれば見通しは非常に高いと言えるだろう。
【2021年10月19日(火)追記更新】
6768 タムラ製作所
時価総額:66,714百万円
PER:(連) 30.10倍
PBR:(連) 1.36倍
≪2021/10/19時点≫
タムラ製作所は、トランスやACアダプタ、はんだ材料や絶縁膜、電源など電子部品と電子化学材料などを手掛ける企業だ。
放送局用オーディオミキサーでは花岡無線電機と並んで、国内の主要企業の一角。
同社の注目ポイントだが、EV自動車やハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車など環境対応の自動車普及から車載用リアクタを開発。
脱炭素時代には、半導体も今はシリコンが主流だが、今後は、炭化ケイ素(SiC)や酸化ガリウムなど、より損失が小さい電気制御のものが主流となる。さらに、酸化ガリウムはウエハーの価格がSiCより安い上、より効率的に電気を制御できるだけに、半導体価格が需要から上昇しており、企業側も切望しているものとなる。
パワー半導体の重要性が高まる中で、圧倒的性能のパワー半導体をタムラ製作所からスピンオフしたベンチャー、ノベルクリスタルテクノロジー社が、次世代半導体材料である酸化ガリウムの100ミリウエハーの量産に世界で初めて成功しており、技術力の高さは屈指と言える。
世界発の酸化ガリウムパワー半導体の技術を持つという点でも、今後の需要の高さを感じる。
8月5日の決算では、中期経営計画で掲げる「車載」・「パワーエレクトロニクス」・「IoT・次世代通信」という3つのターゲット市場に向けた開発・生産・販売活動を推進するとともに、原材料価格高騰や部材調達難への対策を図り、取引先への確実な製品供給と適正収益の確保に努めた事で、22年3月期第1四半期(4-6月)の連結経常損益は2.3億円の黒字に浮上。
11月5日に決算を予定しているが、半導体をはじめとする部材の供給不足による取引先の需要からも、業績の拡大が見込めると見る。
チャートは出遅れていた事から、パワー半導体需要、半導体関連の上昇からも連騰を続けているが、9月6日につけた813円を抜け、75日移動平均線を抜ければさらなる上昇の期待が持てると言えるだろう。
【2022年1月5日(水)追記更新箇所】
6616 TOREX
時価総額:39,284百万円
PER:(連) 19.68倍
PBR:(連) 1.79倍
≪2022/1/5時点≫
TOREXは東証1部に上場、ドライブレコーダーやナビなど車載、産業機器向けに強みを持つアナログ電源ICメーカー。半導体デバイスの設計開発を手掛ける同社は省電力や超小型DC/DCコンバータなど小型化技術に強みを持ち。日本国内では100%連結子会社のフェニテックセミコンダクターがディスクリート半導体及びパワー半導体を生産。
日本、米国、中国など各国での世界的な自動車販売の好調で、収益環境に強い追い風が吹いているが、様々な電子化ニーズの高まりやライフスタイルの変化を背景に、産業機器関連市場やデジタル機器関連市場が引き続き好調に推移している事で業績面も抜群。
直近の決算では、22年3月期の連結業績予想を、売上高を285億円から295億円(前期比24.4%増)、営業利益を25億円から27億円(同2.2倍)、純利益を17億5000万円から18億9000万円(同2.0倍)へ上方修正している。
併せて20円を予定していた期末配当予想を24円に引き上げると発表としている。信用買いの多さは気になるところだが、需要拡大からも伸びしろは高いと見ているぞ!
【2022年1月21日(金)追記更新箇所】
6973 協栄産業
時価総額:5,244百万円
PER:(連) 7.15倍
PBR:(連) 0.36倍
≪2022/1/21時点≫
協栄産業は東証1部に上場、1947年の創業とエレクトロニクス商社として70年の実績を持ち、半導体や電子機器、産業機械、FAシステムの販売を主力展開する企業だ。
同社は、プリント配線板は高付加価値基板に特化しているが、パワー半導体でも日本屈指の三菱電機やルネサスエレクトロニクスの製品を取り扱い、社員の40%がエンジニアと専門力が非常に高く、ハードやソフトの設計・開発や製造、LED照明器具の設計・製造、船舶用品販売にも定評がある。
自動車業界が復活していきている事からパワー半導体は需要が高く、同社は上方修正の期待も高いと言われている。チャートは環境の悪化から売り物も出ているが、PER5.9倍、PBR0.36倍、そして配当利回りも3%を超えている銘柄からも今の株価位置は妙味あると言えるのではないだろうか。
【2022年11月16日(水)追記更新箇所】
8140 リョーサン
時価総額:74,125百万円
PER:(連) 9.92倍
PBR:(連) 0.69倍
≪2022/11/16時点≫
リョーサンは東証プライムに上場、ルネサスエレクトロニクスの製品を主体に半導体・電子部品の専門商社。海外でも広く展開、サムスン電子や現代自動車などを顧客に持っているパワー半導体の本命企業と言えるだろう。
地政学リスクの高い中だが、業績は抜群、直近の決算を見てもデバイス事業は、第11次中期経営計画の施策効果が発現した他、産業機器向け高付加価値製品を中心に販売が伸長した結果、売上高は前年同期比+33.4%の1,462億円、営業利益は同比+139.0%の82億円。ソリューション事業は、情報通信向け大型案件が牽引し、売上高は前年同期比+46.7%の214億円、営業利益は同比+76.2%の11億円、地域別の売上高構成を見ても、中国ローカルビジネス伸長したアジアの割合が増加、産業機器向けの割合が増加。商品別では個別半導体・システムLSIの割合が増加となっている。
PER9.9倍、PBR0.69倍、配当を見ても中間・期末各50円の年100円としていた配当予想について、中間・期末各75円の年150円にすると発表しており配当も高い。本丸のルネサスエレクトロニクスの業績も抜群だがパワー半導体の需要を考えても同社の株価はまだまだ期待できるのではないだろうか。
【2022年12月14日(水)追記更新箇所】
4565 タカトリ
時価総額:48,600百万円
PER:(連) 30.20倍
PBR:(連) 7.54倍
≪2022/12/14時点≫
タカトリは東証スタンダード上場、半導体製造機器、高硬度脆性材料の切断加工機(マルチワイヤーソー)などパワー半導体材料切断装置とし、世界トップシェア製品多数輩出する企業だ。
時価総額は486億円、自動車の電動化に欠かせないパワー半導体向けSiC材料切断加工装置を手掛けている。高速通信規格「5G」の普及や、自動車向けのパワー半導体の供給不足が続くことから半導体材料の切断加工装置の需要から人気化して株価4倍超えとなった銘柄。業績面は22年9月期業績予想は、売上高が80億円から102億2300万円(前期比56.6%増)、営業利益が5億3000万円から13億5100万円(同3.47倍)となっているが、今後もパワー半導体の需要から業績の拡大が期待できる。
【2023年2月2日(木)追記更新箇所】
9995 グローセル
時価総額:11,718百万円
PER:(連) 8.52倍
PBR:(連) 0.43倍
≪2023/02/03時点≫
グローセルは東証プライム上場、日立と三菱電機の半導体論理回路事業統合会社ルネサステクノロジの直系販社と2009年に合併、集積回路・半導体素子・表示デバイス及びその他の電子部品・機器等の販売、ソフトウェア開発及び電子機器の開発・設計を手掛ける半導体を中心とした技術系電子部品商社だ。
ルネサスエレクトロニクスの有力特約店、取扱商品はルネサス製半導体が中心となっており頼みの状況ではあるが、国内外において新規商材の発掘にも余念がなく、注目すべきは、2018年4月から販売開始した半導体ひずみセンサー「STREAL(ストリアル)」など高性能な製品の自社開発・展開に多くの企業から注目を集めている。
直近の業績は、集積回路は産業分野の商流変更の影響から半導体素子は民生分野でのパワーデバイスの需要の減少した事で経常利益が同1.5%減の10.07億円となった事が嫌気され下落したが、表示デバイスはOA分野での需要が堅調に推移、民生分野向けプリント基板や産業分野向けEMS等が大幅に増加となっている。
今の株価位置はPER9.6倍、PBR0.46倍と割安水準、時価総額117億円で自社製品を見ても高い技術力を持っているだけに伸びしろは高いと言えるだろう。
【2023年2月13日(月)追記更新箇所】
6723 ルネサスエレクトロニクス
時価総額:3,129,610百万円
PER:(連) ---倍
PBR:(連) 1.87倍
≪2023/02/13時点≫
ルネサスエレクトロニクスは東証プライム上場、東京都江東区に本社を構える車載用パワー半導体では世界シェアの3割を握る1位、車載半導体市場シェアランキングではNXPセミコンダクターズ、インフィニオン・テクノロジーズに次ぐ3位として車載BIG3の一角と世界を代表するパワー半導体の企業だ。
同社は2月9日に決算発表したが2022年12月期決算の営業利益は4,241億7,000万円で、更に自社株買い500億円を前回同様INCJ(旧産業革新機構)からのTOBという形で実施するとした。規模としては2022年4月に発表した2,000億円と比較すると大きくはないが、好決算との併せてのタイミングでの自社株買いは素直に好感される形となった。
世界の経済のパワーバランスに半導体は重要、特に輸出企業を多く抱え、世界でも有数の自動車メーカーを多数もつ日本はパワー半導体は非常に重要な製品だけにパワー半導体の超有望銘柄の一角である同社に益々目が離せないと言えるだろう。
【2023年5月5日(日)追記更新箇所】
6298 ワイエイシイ
時価総額:28,477百万円
PER:(連) 16.7倍
PBR:(連) 1.71倍
≪2023/05/05時点≫
ワイエイシイは東証プライム上場、1973年の創業、クリーニング関連機器から半導体製造装置、メモリディスク関連装置、液晶関連装置を主力展開。液晶関連装置が主で大型基板への対応を強化、ハードディスク関連装置では小径ディスク・高密度化対応製品の開発を推進、パワー半導体関連に該当する各種自動化機器の中堅企業だ。
半導体製造装置や液晶製造装置などメカトロニクス分野などで活躍する同社だが、同分野ではレーザー技術に強いワイエイシイビームなど有力子会社を抱えており、23年3月期も前期比53%増の24億円を見込むなど高成長が続いている。投資家人気のパワー半導体の業績好調な小型株からもここ最近強い上昇トレンドに入っている。
5月15日の決算で一旦出尽くしに一旦なりそうな位置ではあるが、現在の株価でPER16.7倍、PBR1.71倍となるが業績好調ならば、まだ上昇余地は高いと言えるだろう。
パワー半導体関連銘柄 まとめ
半導体・半導体製造装置関連銘柄と同様に、パワー半導体関連銘柄は息の長いテーマ株となる可能性が高い。さまざまなIoT機器にEV(電気自動車)などパワー半導体の需要が高まってくることはあらゆるところで指摘されている。
パワー半導体の需要が本格的に高まるのは2022年以降、2030年には5兆円を超えるという見方もあるようだし、今のうちからパワー半導体関連銘柄に注目しておくのは面白い。今後にも注目したい重要テーマ株である。