この記事にはプロモーションが含まれます。
日本で捨てられるプラスチックごみは年間900トンにも上るが、その一部が行き場を失う事態に発展しているらしい。
そもそも、プラスチックごみを中心とする資源ごみは中国が大部分を輸入していたのだが、2018年1月に輸入を全面禁止とした事で、世界中でプラスチックごみの一部が行き場が失っているそうだ。
石油資源よりも安価なのが、プラスチックごみを始めとした「資源ごみ」だ。中国の急速な経済発展を支えて来た側面もあるのだが、中国の土壌や川から鉛や銀が検出されるなど深刻な環境問題となった事、また中国自身が巨大な市場でプラスチック消費国となった事からも、輸入禁止へと舵を切らざるを得なかった背景のようだ。
世界の海岸に漂着するごみの8割以上はプラスチックごみと推測されている。その中でも今、世界的に問題視されているのは「マイクロプラスチック」と呼ばれる、大きさ5ミリ以下のプラスチック片である。目に見えない大きさまで小さくなったプラスチックが推計1300万トンも海に紛れているらしく、生態系への影響が懸念されている。
既に欧州ではプラスチックごみを減らす為に規制強化の動きが始まっている。使い捨てのプラスチック容器や包装を2030年までに無くし、全てを再利用や素材としてリサイクルするそうだ。
日本では、中国に代わる新たな輸出先としてタイやマレーシア、ベトナムなどの東南アジアへの輸出を検討しているが、世界的な「プラスチックごみ規制」の流れがあり、中々難しそうだ。
世界の機関投資家は環境対策などの取り組みに注目しているし、日本企業だけが「プラスチックごみを他国へ押しつける」のでは、信頼を集める事は難しいだろう。やはり、先進国である以上は率先して「規制」や「リサイクル」に注力しなければならない。
そこで注目を集めるのがプラスチックごみを「再生利用」する技術を持つ企業や、飲料市場で紙容器を生産する企業などのプラスチックごみ規制に関連した銘柄だ。特に飲料水に関してはペットボトルがシェアの72%を占めている。そこで本ページでは、プラスチックごみ規制が拡がる事でメリットのありそうな銘柄をピックアップしてみようと思う。
プラスチックごみ規制関連銘柄 一覧
- 3863 日本製紙
- 7912 大日本印刷
- 2593 伊藤園
- 6531 リファインバース
- 2195 アミタHD
- 4188 三菱ケミカルホールディングス
- 9247 TREホールディングス
- 4631 DIC
- 6013 タクマ
- 4221 大倉工業
- 5699 イボキン
- 7947 エフピコ
- 4651 サニックス
- 5631 大日本製鋼所
- 5698 エンビプロ・ホールディングス
"出遅れ株"を見つける方法とは?
【PR】短期で収益を狙うなら!プロ注目の銘柄情報をはじめ、業界の最新情報までをイチ早く手に入れるのは必須の条件。さらに、絶好の買い場を迎える"出遅れ株"を掴むには…。
テーマ株の情報に強い株の情報サイトを利用するべきだ!
プラスチックごみ規制関連銘柄 本命株・出遅れ株
それではプラスチックごみ規制関連銘柄の中でも特に本命視されそうな銘柄をピックアップしていこう。出遅れ銘柄などもあれば今後追記するつもりだ。なお、この項目は当方の主観を含む内容のため、参考までに願う。
本命株 日本製紙
時価総額:213,560百万円
PER:(連) ---倍
PBR:(連) 0.49倍
≪2018/05/30時点≫
世界的なプラスチックごみ規制の流れが追い風となり、飲料市場では紙容器のシェアが伸びている。その牽引役となっているのが、キャップ付きの紙容器だ。屋根型商品に比べ、密閉性が高く、繰り返し開封出来る為便利だ。
日本製紙はキャップ付き容器の供給量を19年3月期には約1億個に増産、前期比5倍も増加するそうだ。プラスチックごみ規制に関連する本命株と見て良いだろう。
本命株 大日本印刷
時価総額:753,210百万円
PER:(連) 25.02倍
PBR:(連) 0.66倍
≪2018/05/30時点≫
大日本印刷は2018年2月20日、世界大手紙容器メーカーであるスイスのSIG社と日本国内に合弁会社を設立、世界的なプラスチックごみ規制に対する流れへ対応する構えだ。飲料だけではなく、食品向けの液体紙容器や内容物の充填・包装に使用する「無菌充填システム」にも注力している。
時価総額も大きい為、大きな値動きは望めないかもしれないが、プラスチックごみ規制関連の本命株として、大日本印刷は無視出来ない存在となりそうだ。
本命株 伊藤園
時価総額:394,319百万円
PER:(連) 31.75倍
PBR:(連) 2.79倍
≪2018/05/30時点≫
茶葉製品最大手である伊藤園もプラスチックごみ規制への取り組みとして、紙容器を積極的に取り入れる方針だ。日本テトラパック(非上場)が開発・生産している1度回すだけで開閉出来る新型キャップ付きの紙容器を自社製品へ投入している。
日本を代表する飲料メーカーだけに、他を牽引する形でも注目を集める。プラスチックごみ規制関連銘柄の本命株として注目したい。
出遅れ株 リファインバース
時価総額:9,375百万円
PER:(連) 68.33倍
PBR:(連) 10.84倍
≪2018/05/30時点≫
プラスチックごみの再生事業に注力している銘柄からもピックアップしたい。産業廃棄物処理事業で、資源ゴミの再資源化などに注力している企業だが、高品質な再生素材「リファインパウダー」を生み出し、タイルカーペットや遮音シート、建材、床材、自動車部品など様々な用途で活用する事が出来るそうだ。
プラスチックごみへの規制強化の流れが強まれば、注目が集まるだろうし、比較的時価総額も低い銘柄だけに値動きも軽そうだ。プラスチックごみ規制の出遅れ株として注目しておきたい。
【2018年10月29日(月)追記】
本命株 三菱ケミカルホールディングス
時価総額:1,283,960百万円
PER:(連) 6.62倍
PBR:(連) 0.93倍
≪2018/10/29時点≫
三菱ケミカルホールディングスもプラスチックごみ関連銘柄の本命株として注目しておきたい。
三菱ケミカルホールディングスはタイ石油公社グループとストローにも使用できる環境負荷の極めて少ない新素材を共同開発したと発表している。ストローそのものを作っているわけではなく現状のプラ製ストローに代わる素材を開発している。ストロー以外にも現状、一般的に使われているプラスチック製品に取って代わることができるもののようだ。非常に面白いプラスチックごみ関連銘柄といえそうだ。
ただし三菱ケミカルホールディングスは時価総額規模が非常に大きな企業。取り組むとすれば中長期スタンスが前提になりそうだ。
【2019年07月03日(水)追記】
出遅れ株 エンビプロ・ホールディングス
時価総額:10,340百万円
PER:(連) 16.66倍
PBR:(連) 0.92倍
≪2019/07/03時点≫
エンビプロホールディングスもプラスチックごみ関連銘柄の出遅れ株として注目しておきたい。エンビプロホールディングスは建築廃材や廃車などを収集して鉄クズなどに分別加工して販売する事業を手掛けるリサイクル関連の企業。
同社は基本的には金属のスクラップの資源リサイクルを手掛ける企業だが、07/02(火)の大引け後にプラスチックごみ問題に対応する亜臨界融合技術・装置を導入した新工場を開設したことを発表した。これにより一気にプラスチックごみ関連銘柄として浮上した格好だ。
新工場ではプラスチックの使用量を大幅に削減し廃棄物を活用したプラスチック製品を製造する方針とのこと。
エンビプロ・ホールディングスは時価総額規模も小さく値動きも軽い。引き続きプラスチックごみ関連銘柄の出遅れ株として注目しておきたい。
【2019年12月12日(金)追記】
海洋プラスチックごみ関連対策費として170億を環境省は予算案を計上!
環境省は2020年度当初予算案で海洋プラスチックごみの関連対策費として約170億円を計上しているのだが、海洋プラスチック問題は世界的に取り上げられている問題からも対策費は来年はさらに増加されるだろう。
今、世界では年間約800万トンのプラスチックのゴミが海に流れていると言われている。年間800万トンというとこれはスカイツリーで222基分、ジャンボジェット機で5万機分という膨大な量だ。
そして海に流れた膨大なプラスチックゴミは自然に分解されることがない。形状は小さく変わっても半永久的にたまり続けるため、紫外線や波の影響で劣化した5mm以下のサイズとなった「マイクロプラスチック」が魚や海鳥、ウミガメなどの体内から大量に見つかるなど大きく取り挙げられていたが、プラスチックに使われる添加物には有害性もある。
その為、海洋汚染に直結するだけでなく、こうして取り込まれた魚などを人間が食べる食物連鎖によって人間の体内にも蓄積されているものと懸念されているのだ。
プラスチックの使用量は世界中で増え続けており、20年後には海へのプラスチック流入量は10倍にと言われている。そして、日本では1人あたりのプラスチック容器包装の廃棄量が世界で2位という不名誉な順位となっている。
今年6月に大阪で開催されたG20でもテーマとなり、小泉進次郎環境相は身近なところから関心を持ってもらうことが大事と周知・対策に取り組む姿勢を見せていたが、このペースを考えれば、漁業関係にも影響もだが、必ず過去の汚染物を生みに流してその魚を食べた人間に影響を与えるというのは今後でてくる問題だろう。
本命株 4651 サニックス
時価総額:17,709百万円
PER:(連) 10.96倍
PBR:(連) 3.30倍
≪2019/12/12時点≫
プラスチックごみ関連としては、本命銘柄としてズバリ外せないのは4651 サニックスだ。外注きゅじょから廃棄物リサイクル、エネルギー事業を手掛ける企業だが、地球環境規模で環境保護が求められる中、同社は全国15カ所の工場で、製造工場などから排出される廃プラスチックを加工して燃料化、発電用燃料として使用など再生エネルギーに力をいれているぞ。廃プラスチック処理施設は、1日に最大300トンの処理能力を持ち、様々なプラスチックを処理が可能な処理施設を持っている。
今後国際的な課題となっていくプラスチックごみの処理を考えると同社は今後も注目となる企業だろう。
【2022年3月29日(火)追記】
4月1日から「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」が施行!関連銘柄に注目だ!
改めて記載するが、プラスチック資源循環促進法とは、「プラスチックごみの削減とリサイクルの促進を目的として製品の設計から廃棄物の処理まで、プラスチックの商流全てにおける資源の循環等の取組を促進するための法律」となる。
簡単に言えば、プラスチックゴミを「捨てる量を減らそう、使用を減らす」ではなく、「捨てることを前提としないでリサイクルしながら経済活動をする」取り組みとなる。世界で一丸となって行うSDGsの取り組みという感じだが、海洋プラスチック問題は世界規模で注目され、SDGsの14番目の目標にも該当する解決すべき課題とされている。
すでに様々な企業はプラスチック製品を紙に変えたり、ビニール袋を有料化して使用を減らすなどの取り組みから廃プラは減少傾向にあるが、まだ日本は世界的に見ても多くのプラスチックを消費・廃棄している状況だ。
ウクライナ情勢から原油価格が高騰して、プラスチックの原料となる資源価格が上昇しているが、ペットボトルや弁当の容器なども値上がりが続いている。とにかくプラスチックの廃棄を出さないという方向性でいくならば、やはり廃プラのリサイクルに注力していくという方向になるだけに、廃プラ・プラスチックごみ関連銘柄は4月1日にプラスチック資源循環促進法がスタートするだけに、注目しておくべきテーマ株と言えるだろう。
本命株 5631 日本製鋼所
時価総額:284,106百万円
PER:(連) 20.81倍
PBR:(連) 1.95倍
≪2022/03/29時点≫
日本製鋼所は東証1部に上場、大型鋳鍛鋼、樹脂成形機、セパレータ製造装置、高品質なリサイクルプラスチックを効率的に連続生産できる二軸押出機「TEX」を展開している。廃プラ・プラスチックごみ関連の本命銘柄と言えるだろう。
業績面は半導体不足などもあり3月22日の決算では、22年3月期の連結業績予想、売上高を2260億円から2160億円、営業利益を160億円から150億円と下方修正しているが、純利益は110億円から135億円へ上方修正、期末配当予想を22円50銭から32円50銭に引き上げている。
同社の魅力的なポイントとしては、火砲システムなどを扱い防衛関連という要素やEV車の生産加速からセパレータ用フィルムシート装置も需要拡大から生産ラインを増強している。廃プラ、プラスチックゴミ以外にも防衛関連、EV関連と様々なテーマの要素があり、今後人気化する可能性も!
プラスチックごみ規制関連銘柄 まとめ
中国が環境問題からプラスチックごみの輸入を禁止した事で、欧州がプラスチックごみの規制を強化、この流れは米国や日本も追従する事が確実視されている。世界の流れなのだから、逆らいようがない。
今後はペットボトルやビニール袋などを製造する企業にとっては風当たりが厳しくなる事が予想されるが、逆に規制の流れが強まれば、プラスチックごみを「再生利用」する技術を擁する企業や、紙製品を取り扱う企業には追い風となるだろう。
容器の素材変更を決定した仏国のネスレや、リサイクルの徹底を目標に掲げた米国のコカコーラなど、欧米の有力企業が「プラスチックごみ規制」に対して大きく舵を切り始めた。日本企業の今後の対応に注目が集まる。
また飲料以外でも、例えばプラスチック容器などが今後紙製品へと需要の移行が進む事も予想されていき、段ボールなど紙製品を取り扱う企業に物色人気が波及するかもしれない。4月1日にプラスチック資源循環促進法が開始されるだけに関連銘柄はチェックしておきたいところだ。