この記事にはプロモーションが含まれます。
近年、「エッジAI(Edge AI)」と呼ばれる、新しい技術が注目されているのをご存知だろうか?
- エッジAI向けの次世代半導体の研究開発に"政府がおよそ280億円"を支援する方針。
- 「ラピダス」が"エッジAI向け半導体の開発"で、米半導体開発の新興「テンストレント」と協業。
このようなニュースを目にした方も多いはず。
エッジAIとは、IoT機器やセンサーなどの端末にAIを搭載することで、端末そのものが学習・推論を行う新しい技術のこと。身近な例でいうと、最新スマートフォンのカメラ機能や自動運転車の各種センサー、小売店に設置されたAIカメラなどに活用されている。
じつは、エッジAIの技術はすでに我々の生活に身近な存在として定着しはじめ、さらに、総務省の調べでは「エッジAI分野の製品・サービス市場は、2026年度には"431億円規模"に達する」とのことだ。(注目されるのも当然である。)
そこで今回の記事は、さまざまな成長産業での活躍が期待される「エッジAI」について、従来のクラウドAIとの違いやメリットデメリット、具体的な活用分野と活用事例、エッジAI関連銘柄の一覧、本命・出遅れ株など、詳しくご紹介する。
エッジAIとは?クラウドAIとの違い
エッジAIの大きな特徴は、AIが搭載された端末それぞれが学習・推論することだ。AIを活用したクラウドにデータ送信する、従来の「クラウドAI」とはこの点が大きく異なる。
では、このエッジAIとはどのような技術なのか?また、「クラウドAI」と「エッジAI」の違いとは何か?メリット・デメリットを交えて解説する。
エッジAIの特徴とは?「エッジコンピューティングとAIを組み合わせた技術」のこと。
エッジAIの技術を語る上で、切り離すことのできない存在なのが「エッジコンピューティング」という技術。
エッジAIの特徴を一言でまとめてしまうと、次に紹介する「エッジコンピューティング」に「人工知能(AI)」を搭載した技術。と言えるだろう。まずは、エッジコンピューティングについて見てみよう。
エッジコンピューティングとは?
エッジコンピューティングとは、データ処理や解析をクラウドの中心部(データセンター)で行うのではなく、データが生成される現場や近くの端末(エッジ)で行い、必要なデータのみをクラウドサーバーへ送る技術。
不要な通信を避けることで、高度化するIoTシステムが抱えている「負荷」や「通信遅延」の問題解消に大きく貢献するとされている。身近な例でいうと、スマートスピーカーやモバイル健康アプリ、自動運転車のセンサーデータなどがあげられる。
つまり、エッジAIとは、「エッジコンピューターに人工知能(AI)を搭載し、データ処理や解析を端末内のAIが行う技術」ということになる。
「クラウドAI」と「エッジAI」の違いとは?
「クラウドAI」と「エッジAI」の大きな違いは、
- データ処理の場所
- 適応される領域
- 通信の必要性
大きく3つあげられる。
とくに、中央集権化されたデータセンターやサーバー上で処理を行う「クラウドAI」に対し、データが生成される場所や近くの端末で処理を行うのが「エッジAI」、データ処理の場所が大きく異なる。
データ処理の場所
クラウドAI | 大規模なデータセンターやサーバー上でAIモデルが実行。データはクラウドへ送信され、クラウド内で処理される。 |
---|---|
エッジAI | データが生成される場所や近くの端末(エッジデバイス)でAIモデルが実行。データはエッジデバイス上で処理される。 |
適用領域
クラウドAI | 大規模なデータセットや高度な処理能力を必要とするケースに適している。たとえば、ビッグデータ分析や画像認識、音声認識など。 |
---|---|
エッジAI | リアルタイムの応答やプライバシーの要求があるケースに適している。たとえば、自動運停車のセンサーデータの処理、スマートホームデバイスの音声認識など。 |
通信の必要性
クラウドAI | データをクラウドに送信する必要があるため、通信インフラが必要になる。そのため、遅延やネットワーク帯域幅の制約がある場合には問題が起こる可能性がある。 |
---|---|
エッジAI | データを現場や近くの端末で処理するため、通信インフラが不要。そのため、リアルタイム性やセキュリティが向上する。 |
エッジAIのメリット・デメリット
エッジAIの大きなメリットは、リアルタイムの処理と対応を可能としつつ、通信コストを低減させ高いセキュリティー性も確保できること。一方で、大規模データの処理は不向きで運用のハードルが高いというデメリットも持ち合わせる。
エッジAIのメリット
- データを生成した場所でAIモデルを実行するため、リアルタイムの処理と応答が可能。
- エッジデバイスでデータを処理するため、クラウドへのデータ転送量を減らし、ネットワーク帯域を節約できる。
エッジAIのデメリット
- エッジデバイスの処理能力やメモリが制約されるため、複雑なAIモデルや大規模なデータセットの処理には向かない場合がある。
- 多数のエッジデバイスに展開されたAIモデルを更新するのが難しく、一貫性の維持やセキュリティの確保が課題となる場合がある。
"出遅れ株"を見つける方法とは?
【PR】短期で収益を狙うなら!プロ注目の銘柄情報をはじめ、業界の最新情報までをイチ早く手に入れるのは必須の条件。さらに、絶好の買い場を迎える"出遅れ株"を掴むには…。
テーマ株の情報に強い株の情報サイトを利用するべきだ!
エッジAIの活用分野と具体的な活用事例
前述したように、エッジAIの技術はすでに我々の生活に身近な存在として定着しつつある。
では、エッジAIはどのような産業・分野で活用されているのか?具体的な活用事例をもとにご紹介する。
1. 自動運転技術
物体検出と衝突回避
車載カメラやセンサーに搭載されたエッジAIが「物体検出」と「衝突回避」をリアルタイムに推論。危険性を評価して適切な制御を行う。
車線保持と自動運転
車載カメラやセンサーに搭載されたエッジAIが「車線保持」と「自動運転」をリアルタイムに推論。危険性を評価して適切な制御を行う。
運転車の状態監視
内部カメラが「運転車の状態を監視」、運転者の顔の向きやまばたきの頻度などをリアルタイムに監視し、注意力の散漫や眠気を検知する。
活用事例①【ヘッドウォータース】エッジAIを活用したリアルタイム画像解析が「自動運転」や「店舗DX」の分野で活躍!
ヘッドウォータース(4011)は、AI開発やクラウドサービスなどを手掛ける企業。とくにエッジAI技術を活用したリアルタイム映像解析が高い評価を獲得している。
2017年には自動運転分野に進出し、自己位置推定と環境地図作成を同時に行う「SLAM」を開発。最近では、ローソンの店舗DXに向けたエッジAI活用による実証実験を実施したと発表。「自動運転」「店舗DX」など、幅広い分野でヘッドウォータースのエッジAIが活用されている。
2. 工場のオートメーション・効率化
異常検知
各種IoTデバイスやセンサーから取得されたデータをエッジAIがリアルタイムに「異常を検知」。異常が見つかった場合は、修理やメンテナンスを提案する。
品質管理
製造業における外観検査において、エッジAIがデータを現場でリアルタイムに処理。
製品の微細な欠陥を即座に検出して「品質管理」に活用する。
ロボットの制御
工場での製品組み立てなどでエッジAIを組み込んだセンサー群がデータを取得し状況を把握。これらは製造現場における産業用ロボットの制御に活用される。
活用事例②【東芝】精密備品製造におけるAI検査システム、部品接合部分の画像撮影ユニットなどでエッジAIの技術を活用!
近年注目されているスマートファクトリー(スマート工場)の分野において、東芝が手掛ける「精密部品製造のAI検査システム」「部品接合部分の画像撮影ユニット」などで、エッジAIの技術が活用されている。
3. 医療・ヘルスケア分野
医療画像の診断
CTスキャンやMRI、X線画像などの「医療画像」をエッジAIがリアルタイムに解析。病変の早期発見や異常部位の特定などについてエッジAIが医療専門家を支援する。
リモートモニタリング
自宅で使用する医療機器に関して、エッジAIがデータを解析して患者の健康状態を継続的に監視。遠隔地からでも患者の健康状態をリアルタイムに把握できる。
ウェアラブルデバイスでの分析
ウェアラブルデバイス(スマートウォッチやフィットネストラッカーなど)では、エッジAIが心拍数や血圧、睡眠パターンなどをリアルタイムにデータを収集・解析。
活用事例③【NTT西日本】遠隔医療におけるエッジAI技術の活用を「T-ICU」と共同実験を開始。
NTT西日本とT-ICUは、遠隔医療におけるエッジAI技術を活用した情報処理の実現方式に関して共同実験を開始。医師や看護師などによる遠隔モニタリングや地域医療の人材不足などの社会課題の解決を目指す。
4. 農業・畜産分野
土壌と天候のモニタリング
農作物周辺のセンサーからエッジAIが情報収集。土壌湿度や酸性度、栄養素レベルなどをリアルタイムで監視し、気象情報から天候パターンも予測。
農作物の病気と害虫の検出
エッジAIを搭載した高解像度カメラによって、農作物の病気や害虫を検出。早期発見により、作物の損失を最小限に抑えて収穫量を増加させる。
自動化と精密農業の実現
トラクターや収穫機などの自動化農業機器の制御にエッジAIの技術を活用。
農業分野の自動化と精密農業の実現に貢献。
活用事例④【クボタ】完全無人農業機の実現に向けてNVIDIAと協業。エッジAIを活用した「次世代型無人農機」の実現につなげる。
自動運転農業機の開発を進める「クボタ」、天候や育成状況などのデータから適切な農作業を自律的に判断・実行する「次世代型無人農機」の実現へ向けて、NVIDIAと戦略的パートナーシップを結ぶことを発表。車載型で遅延のないエッジAI技術の開発を加速させる。
5. 金融分野
不正行為の検出
エッジAIがリアルタイムに取引データを分析し、不審なパターンや異常な行動を即座に検出。クレジットカード詐欺やATMの不正な取引、振り込め詐欺などを検知する。
セキュリティ強化
ネットワークの異常行動をエッジAIが迅速に検知。
エッジデバイスでのデータ処理により、機密性とプライバシーが保護されセキュリティーが強化される。
活用事例⑤【北洋銀行】振り込め詐欺防止を目的に「エッジAIカメラ」を一部店舗で導入。AIカメラは、JVCケンウッドとビズライト・テクノロジーが共同で開発。
北洋銀行は、振り込め詐欺を未然に防ぐために「ビズライト・テクノロジー」と「JVCケンウッド」が共同で開発したエッジAIカメラを一部店舗で導入。電話をかけながらATMを操作する人物を「エッジAIカメラ」で検出し、店舗内の職員にリアルタイムに通知することで、振り込め詐欺を未然に防ぐ取り組みを開始。
6. 小売業分野
顧客の行動分析
店舗内に設置されたカメラから得られる映像データをエッジAIが解析。顧客の購買行動や店内行動を把握してビッグデータとして活用。顔認識や行動検知も可能。
在庫管理と自動発注
店舗内の商品棚に設置したカメラやセンサーからのデータをエッジAIが推論。商品の在庫状況をリアルタイムに把握して、自動発注・在庫管理を効率化する。
自動決済と盗難防止
顧客の商品選択をエッジAIが追跡することでレジの支払いを省略して自動決済。また、店舗内に設置したAIカメラの映像解析によって盗難防止にも活用する。
活用事例⑥【Idein(イデイン)】スーパー、ドラッグストアなど中小規模小売り店向け「エッジAIカメラ 来店者属性・行動分析 スターターパッケージ」の無償提供を開始。
Idein(イデイン)は、世界的にも類を見ない機械学習推論の高速化技術を備えた、国内シェアNo.1のエッジAIプラットフォーム「Actcast」を開発・運営する企業。
- AIカメラを活用して店舗や施設の混雑状況をリアルタイムに計測して、混雑の発生場所や時間を把握。
- AIマイクによる会話データの取得により、接客内容をテキスト化。現場にいなくても店舗の接客状況・内容を把握。
- デジタルサイネージ(電子看板)とAIカメラの組み合わせにより、視認率の計測・視認者の属性データを取得。
- 店舗に設置したAIカメラから来店客の性別や年代を分析。購買客と飛行売却の差異を把握。
7. セキュリティ分野
異常行動の検出
セキュリティーカメラの映像データをエッジAIがリアルタイムに処理。異常な行動パターンや不信な動きを検出。危険区域への不正侵入や、通常とは異なる人物の行動、店頭などを素早く認識する。
顔認証や生体認証
訪問者の顔認証や生体認証にエッジAIの技術を活用。高速かつ制度の高い解析と推論を可能とすることで、セキュリティーを強化する。また、不正侵入者の特定に役立てるなど。
音声認識と分析
音声認識と音響分析にエッジAIを活用することでセキュリティーを強化。ガラスが割れる音や異常な騒音、特定の語彙など、聴覚的な異常お検出するのにエッジAIの技術が活用される。
活用事例⑦【ソリトンシステムズ】多要素認証ツールと認証テクノロジーを連携した「顔認証技術を搭載したPCログオンソフト」の開発。
ソリトンシステムズは、サイバー攻撃対応のセキュリティー対策ソフトや認証システム開発を軸とする企業。
エッジAI技術の領域では、「超低消費電力のアナログエッジAIチップの開発」に取り組み、21年6月には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NRDO)にも採用されている。また、パナソニックコネクトの顔認証技術を搭載した、パソコン・ログオンソフト「SmartOn」の新版を発売。顔や指紋、ICカードなどを使った多要素認証で、パソコン利用時の認証を強化。
いかがだっただろうか?
エッジAIの技術は、自動運転や工場のオートメーション化、医療・農業・金融・小売りなど、さまざまな分野で活用されている。
また、ページの冒頭でも伝えたように、総務省の調べでは「エッジAI分野の製品・サービス市場は、2026年度には"431億円規模"に達する」とのこと。さらに、エッジAI向けの次世代半導体の研究開発には"政府による支援の後押し"が追い風となる。
エッジAIを取り巻く環境は今後大きく成長していくことが考えられ、同時に生成AIの爆発的な人気にあったように、エッジAI関連銘柄の注目度も日増しに増えていくことが容易に想像できる。
エッジAI関連銘柄の一覧
今後、大きな成長が期待されているエッジAI市場。
エッジAIの技術に関連するのはどんな企業なのか?その特徴とともに一覧にしてご紹介する。
証券コード・企業名 | 市場 | 特徴 |
---|---|---|
2359 コア | 東証プライム | 画像処理・AIエッジコンピューティング技術を搭載した最先端の自立制御技術と産業用ドローン技術が強み。インフラ点検や郵便・物流、災害などさまざまな分野で採用されている。 |
3040 ソリトンシステムズ | 東証プライム | サイバー攻撃対応のセキュリティー対策ソフトと認証システム開発を主力展開。超低消費電力のアナログエッジAIチップの開発に取り組み、2021年6月には新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に採用された実績あり。 |
3132 マクニカホールディングス | 東証プライム | AIソリューションを手掛けるヘッドウォータースとの協業により、エッジAIボード「NVIDIA Jetson」を利用したエッジAIの企画から運用までを包括的サポートを展開すると発表。米NVIDIAの正規代理店。 |
3652 ディジタルメディアプロフェッショナル | 東証グロース | 高精度画像認識エッジAIソフト「ZIA SAFE」を展開。安全運転支援システム関連の案件獲得を進める。ザインエレクトロニクス社と次世代スマートBEMS(ビル・エネルギー管理システム)をはじめとする、エッジAIカメラソリューションの実現に向けた協業を発表。 |
3653 モルフォ | 東証グロース | エッジAIにおける世界のリーディングカンパニー100社以上が参画する業界団体が主催する「Vision Product of the Year Award」において、同社のAIを用いた自動画像領域分割およびレタッチ技術が「ベストAIソフトウェア / アルゴリズム賞」を受賞。 |
3687 フィックスターズ | 東証プライム | 同社が手掛けるエッジAI開発のクラウドプラットフォーム「GENESIS DevEnv」をルネサスエレクトロニクス社が導入。企業のソフトウェアを高速化させる技術が強みで、顧客企業のDX推進、量子コンピューター分野でも先駆的な存在。また、メディカル分野では、AIを活用した超音波画像診断支援や大規模言語モデル(LLM)開発で実力を発揮。 |
3694 オプティム | 東証プライム | MDM(モバイルデバイス管理)市場で11年連続のシェア1位を獲得。高性能エッジAIを搭載した「OPTiM AI Camera Enterprise」を開発。マーケティング分野やセキュリティ分野にて広く活用されている。また、佐賀大学医学部と眼底画像の診断支援AIの開発を推進。今後、医療AIの分野が成長のエンジンとなるかが注視されている。 |
3853 アステリア | 東証プライム | センサーやカメラからのデータ収集やサービスへの接続をノーコードで実現する、AI搭載のIoTエッジコンピューティング用ミドルウェア「Gravio(グラビオ)」を提供。 |
4011 ヘッドウォータース | 東証グロース | 米NVIDIAのエッジAIスーパーコンピューターシリーズに標準対応した、エッジAIデバイス管理システムを開発。マクニカとの協業により、「NVIDIA Jetson」を利用したエッジAIの導入・運用までを包括的サポートを提供することを発表。 |
4056 ニュートラルグループ | 東証グロース | 独自開発のAIアルゴリズムによる画像解析のほか、エッジAIソリューション提供など、AIエンジニアリング事業を手掛ける。AI搭載のサイネージ広告で高い実績を有する。 |
4259 エクサウィザーズ | 東証グロース | 高性能2眼レンズ搭載のエッジAIカメラ「ミルキューブ」を提供。三密状態の可視化や保育園での子どもの自動撮影、小売り店舗における人の動向検知や数値化などに対応。 |
4488 AI inside | 東証グロース | エッジコンピューター「AI inside Cube」シリーズの最高スペックモデル「AI inside Cube Pro」の提供を開始。AIの学習と推論を自社内で完結して"AI開発・運用の内製化"をサポート。 |
4498 サイバートラスト | 東証グロース | エッジAI環境に求められるサイバーセキュリティ要件に対応したソフトウェアパッケージ、「EM+PLS(イーエムプラス)」を発表。セキュアエッジAIコンピューティング向けのプラットフォームとして提供を開始。 |
4813 ACCESS | 東証プライム | エッジAIを搭載したトータルソリューション「NetFront EdgeAI」を開発・提供。直近では、次世代通信基盤「IOWN」の開発を進めるNTTと資本提携を締結。防衛省がIOWNを安全保証に活用すると報じられ材料に。 |
5026 トリプルアイズ | 東証グロース | AI顔認証の社会実装では国内トップクラスの実績。"国産AI"×"国産エッジPC"が実現した産業機器向け顔認証システムを手掛ける。顔認証による勤怠打刻、入退室管理、決済、アルコールチェック、マーケティング、顧客管理など、さまざまな業種で導入されている。 |
5574 ABEJA | 東証グロース | 小売流通業界に特化した店舗解析サービス「ABEJA Insight fo Retail」を提供。ネットワークカメラや赤外線センサーなどのIoTデバイスからデータを取得・解析して、実店舗における来店から購買までの顧客行動をデータとして可視化。小売・卸売AI、マーケティングAI市場において3年連続で業界シェア№1。 |
5586 Laboro. AI | 東証グロース | オーダーメイド型のAI「カスタムAI」の開発と導入コンサルティングを展開する企業。独自のカスタムAIを搭載したカメラソリューション「L-Vision」は、小売・流通業、製造業、建設業など、さまざまな業種・業界での活用を想定。 |
5885 ジーデップ・アドバンス | 東証スタンダード | NVIDIA認定パートナー。NVIDIA社のHopperアーキテクチャ搭載のGPUカード「NVIDIARH100 NVL 94GB」の受注を開始。NVIDIA社の「NGC-Ready」システムに認定された推論用エッジデバイス「Inference BOX」を販売。 |
6597 HPCシステムズ | 東証グロース | ハイパフォーマンス・コンピューティング分野のニッチトップ企業。工場や生産現場のAI活用に適したエッジAIサーバー「EAS-U1」を開発。 |
6632 JVCケンウッド | 東証プライム | ドライブレコーダー市場のリーディングカンパニー。エッジAIカメラを搭載した通信型ドライブレコーダーを開発。また、パナソニックHD、JVCケンウッド、Wilの3社共同で「Vieureka(ビューレカ)社」に出資。エッジAIの社会インフラ構築を目指す。 |
6701 NEC | 東証プライム | AIチップを搭載したエッジ端末の処理速度を最大8倍に向上させる「漸進的物体検知技術」を開発。「人」や「人の関節点」、「車両」や「車両のナンバープレート」など、さまざまな物体検知処理に対応。 |
6703 沖電気工業 | 東証プライム | AIエッジコンピューター「AE2100」を開発・提供。AIエッジ領域のさらなる市場拡大に向けて、さまざまな分野のパートナー企業との共創を推進する「AIエッジパートナーシップ」を展開。 |
6723 ルネサスエレクトロニクス | 東証プライム | エッジAI開発のクラウドプラットフォーム「GENESIS DevEnv」を導入。ルネサスのデバイス向けに最適化したソフトウェアを「フィックスターズ」が開発。また直近では、ビジョンAIとリアルタイム制御を1チップで実現するハイエンドMPU「RZ/V2H」の販売を開始。 |
6730 アクセル | 東証スタンダード | OpenAIのWhisperをエッジデバイス上で簡単に使えるようにしたAI音声認識ライブラリ「ailia AI Speech1.1.0」をリリース。また、アクセス子会社の「ax」がParakeetと業務提携。Parakeetの提供する音声変換アプリに「ailia SDK」が採用されたと発表。 |
6758 ソニーグループ | 東証プライム | さまざまなセンサーを活用したソリューションの開発・導入を効果的に行うことができる、エッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS(アイトリオス)」を開発・提供。 |
6769 ザインエレクトロニクス | 東証スタンダード | ディジタルメディアプロフェッショナルとエッジAIカメラソリューションの実現に向けて協業すると発表。DMPがもつ高精度画像認識AIとザインの画像処理用プロセッサを搭載したエッジAIカメラの実現を目指す。 |
6963 ローム | 東証プライム | 消費電力が小さく、エッジ側で「学習」と「推論」の両方を行う「オンデバイス学習AIチップ」を開発。 |
7259 アイシン | 東証プライム | AIベンチャーの「Idein(イデイン)」と共にエッジAIカメラ「ai cast」を開発。ハードウェアの製造をアイシンが担当。 |
8001 伊藤忠商事 | 東証プライム | エッジAIプラットフォームを提供するIdein(イデイン)と資本・業務提携。 |
9739 NSW | 東証プライム | IoTセンサとLPWAを活用したエッジAIソリューションによる会議室モニタリングシステムを提供。 |
9880 イノテック | 東証プライム | 国産ハードウェアと国産AI/ソフトウェアを行った一体にしたエッジ顔認証「EdgeFACE」を開発。 |
"出遅れ株"を見つける方法とは?
【PR】短期で収益を狙うなら!プロ注目の銘柄情報をはじめ、業界の最新情報までをイチ早く手に入れるのは必須の条件。さらに、絶好の買い場を迎える"出遅れ株"を掴むには…。
テーマ株の情報に強い株の情報サイトを利用するべきだ!
エッジAI関連株の本命・出遅れ
続いて、エッジAI関連に分類される銘柄の中でも、テーマ性をけん引する「本命」と見られている株、また、今後出遅れた値動きが期待される「出遅れ株」とは何か?
筆者の個人的な見解を含めてご紹介する。参考程度にチェックしていただきたい。
本命視される、エッジAI関連の本命株【10選】
アイシン(7259)
アイシン(7259)は、自動車部品サプライヤー、売上収益で世界TOP10にランクインするトヨタ系自動車部品のグローバルサプライヤー。
エッジAIの分野では、小売り・製造業・セキュリティーなど幅広い産業で活用できるAIカメラ「ai cast」を製造。国内のエッジAIプラットフォーム「Idein(イデイン)」と連携することで、顔認証、深度測定、姿勢推定、暗所での分析、属性分析など、高機能・高精度なAIモデルを実行可能としている。
ローム(6963)
ローム(6963)は、1954年創業の半導体メーカー。LSIをはじめ、ディスクリート半導体、光半導体、モジュール、バイオチップなど、半導体製品の製造・販売・開発を手掛ける企業。
エッジAIの分野では、モーターやセンサなどに搭載する電子機器の故障予知をリアルタイムに実現する「オンデバイス学習AIチップ」を開発。従来のAIチップと比べて「1000分の1程度」の超低消費電力で学習・推論できるのが大きな特徴で、2024年度に製品として量産予定とのことだ。
ソニーグループ(6758)
もはや説明も不要。モバイル事業からゲーム、ネットワークサービス、それに伴う半導体事業など多方面に展開する、日本が誇るグローバル電機メーカー。
エッジAIの分野では、イメージセンサーを主力とした「ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)グループ」が半導体関連事業を推進。エッジAIセンシングプラットフォーム「AITRIOS(アイトリオス)」を開発・提供する。
ルネサスエレクトロニクス(6723)
ルネサスエレクトロニクス(6723)は、自動車分野、スマート社会を支える産業分野、インフラ分野の半導体生産などを手掛ける、日本を代表する半導体メーカーの一角。
- 組み込みAIソリューションプロバイダーの米Reality AI社を買収。
- EdgeCortix社と戦略的な提携関係を結び、エッジAIを含むAI関連の重要技術分野を活用。
- フィックスターズが開発した、ルネサスデバイス向けに最適化したエッジAI開発のクラウドプラットフォーム「GENESIS DevEnv」を導入。
- 半導体技術の国際会議にてエッジAIで処理能力「130TOPS」を達成と発表。電力効率についても世界トップレベル。
エッジAIの領域では活発な動きが報告されている。
また、2023年4月に開催されたプライベートイベント「Renesas AI Tech Day」では、米NVIDIAへの対抗心をむき出しにした発言も注目された。『クラウドで強いのはNVIDIAであることはルネサスも認めるところだが、エッジ/エンドポイントではルネサスのほうが優位とする。』とのことだ。
沖電気工業(6703)
沖電気工業(6703)は、情報通信とメカトロニクス技術を柱に、情報システムや通信システムといった社会インフラを手掛けるメーカー。金融機関、官公庁、企業・方針などに各種製品、ソリューションを提供。
エッジAIの領域では、更なる市場拡大に向けてさまざまな分野のパートナー企業と共創を推進する「AIエッジパートナーシップ」を展開。また、DX新戦略(AIエッジ戦略)として、AIエッジコンピューター「AE2100」等の製造・販売する。
NEC(6701)
NEC(6701)は、通信網の構築サービスでは国内トップクラス。ITサービスのコンサルや提供、ICT機器の製造・販売などを手掛ける大手総合電機メーカー。
エッジAIの分野では、ソニーの半導体関連事業を手掛ける「ソニーセミコンダクタソリューションズ(SSS)グループ」と連携し、物流業界向けエッジAIセンシングソリューションの実証実験を開始。物流DXの推進による人手不足の課題解決に取り組む。
また、エッジAIの処理速度を"最大8倍"に向上させる「漸進的物体検知技術」を開発。このほか、エッジAI・IoT技術を活用したさまざまなソリューションを提供。
JVCケンウッド(6632)
JVCケンウッド(6632)は、日本ビクターとケンウッドが経営統合した会社。映像・音響・無線機器、音楽・映像ソフトなどを手掛け、ドライブレコーダー市場のリーディングカンパニーとしても有名。
- ビズライト・テクノロジー社と共同開発されたエッジAIカメラが「北洋銀行」の実店舗にて正式導入。
- エッジAIを搭載した通信型ドライブレコーダーを「船舶」や「点検業務」など他分野の展開を目指す。
- パナソニック、JVCケンウッド、WiLの3社、AIカメラなど「エッジAI」開発の新会社「Vieureka株式会社」に共同出資。
ドライブレコーダー市場で培った技術を活かし、エッジAIカメラの幅広い展開を目指す。
ジーデップ・アドバンス(5885)
ジーデップ・アドバンス(5885)は、米NVIDIAの国内初エリートパートナー。AI学習用サーバーやエッジデバイス、ビジネスメタバースなど、最新システムの開発、販売・ソリューション提供を行う企業。
NVIDIA社の「NGC-Ready」システム認定、高性能なディープラーニング推論処理性能を備えたエッジAIデバイス「Inference BOX」を販売。また、2024年3月には、生成AIのような大規模AIモデルの学習に適したGPU、NVIDIA社のHopperアーキテクチャ搭載GPUカード「NVIDIARH100 NVL 94GB」の受注を開始。
ヘッドウォータース(4011)
ヘッドウォータース(4011)は、人型ロボット「Pepper」向けのアプリ開発をはじめ、AI技術を活用したロボットアプリ政策サービスを展開する企業。AIソリューションを企画からコンサルまで一気通貫モデルで導入するのが強み。NVIDIA Inceptionのパートナー企業。
エッジAIの分野では、企業のDXやスマート化をエッジAIソリューションを活用して支援。NVIDIAの最新テクニカルツールやAIリソースにアクセスでき、技術支援などを受けられる点も注目度は高い。
また直近では、2024年3月『生成AI×エッジAIに向けて「NVIDIAR Jetson Orin? Nano」上で稼働する小規模言語モデルSLMと画像言語モデルVLMの検証を開始』と発表。
マクニカホールディングス(3132)
マクニカホールディングス(3132)は、半導体・集積回路等の電子部品の輸出入、販売などを行う独立系の大手エレクトロニクス専門商社。また、日本国内における「NVIDIA」の正規代理店。
エッジAIの領域では、2023年6月。AIソリューション事業を手掛ける「ヘッドウォータース」と協業。「NVIDIA Jetson」を利用したエッジAIの企画から運用までの包括的なサポートを提供すると発表。
出遅れ急伸が期待される、エッジAI関連の出遅れ株【6選】
フィックスターズ(3687)
フィックスターズ(3687)は、自動運転、FA、ヘルスケア、金融など幅広い分野向けの高速ソフトウェア開発とクラウドサービスを手掛ける企業。ハードウェアの性能を最大限に引き出す「ソフトウェア高速化」が大きな強み。
- エッジAIアプリケーションのクラウド開発環境「GENESIS DevEnv」の販売を開始。
- ルネサスエレクトロニクス社が「GENESIS DevEnv」を導入。
企業のソフトウェアを高速化させる技術が強みで、顧客企業のDX推進、量子コンピューター分野でも先駆的な存在。また、メディカル分野では、AIを活用した超音波画像診断支援や大規模言語モデル(LLM)開発で実力を発揮する。
オプティム(3694)
オプティム(3694)は、企業向けにスマートフォンやパソコンなど端末デバイスの管理・運用サービスを展開するソフトウェア会社。MDM(モバイルデバイス管理)市場で11年連続のシェア1位を獲得。
エッジAIの領域では、高性能エッジAIを搭載した「OPTiM AI Camera Enterprise」を開発。マーケティング分野やセキュリティ分野にて広く活用されている。また、佐賀大学医学部と眼底画像の診断支援AIの開発を推進し、今後、医療AIの分野が成長のエンジンとなるかが注視されている。
ACCES(4813)
ACCES(4813)は、情報家電向けネットワーク事業やソフトウェア開発などを手掛ける、独立系ソフトウェア企業。
エッジAIを搭載したトータルソリューション「NetFront EdgeAI」を開発・提供。直近では、次世代通信基盤「IOWN」の開発を進めるNTTと資本提携を締結。防衛省がIOWNを安全保証に活用すると報じられ材料に。
トリプルアイズ(5026)
トリプルアイズ(5026)は、「AI顔認証」の社会実装では国内トップクラスの実績を誇るIT企業。SI事業(Web開発や基幹システムのサポート)、AI事業(AI画像認証の自社開発)が大きな柱。
"国産AI"×"国産エッジPC"が実現した産業機器向け顔認証システムを手掛け、顔認証による勤怠打刻、入退室管理、決済、アルコールチェック、マーケティング、顧客管理など、さまざまな業種で導入されている。
ABEJA(5574)
ABEJA(5574)は、AI技術「ディープラーニング」をベースにしたサービスを展開するベンチャー企業。小売・卸売AI、マーケティングAI市場において3年連続で業界シェア№1。
エッジAIの分野では、小売流通業界に特化した店舗解析サービス「ABEJA Insight fo Retail」を提供。ネットワークカメラや赤外線センサーなどのIoTデバイスからデータを取得・解析して、実店舗における来店から購買までの顧客行動をデータとして可視化。
イノテック(9880)
イノテック(9880)は、半導体設計ツールおよびテスターを主力に、産業用組込ボードの開発、ノイズ解析ツールなどを開発・販売する半導体商社。社会インフラ、FA、医療など幅広い分野で活躍する企業。
エッジAIの分野では、国産ハードウェアと国産AI/ソフトウェアを一体にしたエッジ顔認証「EdgeFACE(エッジフェイス)」を開発。2024年4月にリリース予定。
まとめ:2024年の大注目テーマ「エッジAI」関連株は要チェックだ!!
さまざまな成長産業での活用が期待されている「エッジAI」という技術について、
従来のクラウドAIとの違いやメリット・デメリット、活用分野と具体的な活用事例、エッジAI関連の本命・出遅れ株などご紹介してきたがいかがだっただろうか?
冒頭でもお伝えしたように、エッジAI分野の製品・サービス市場は「2026年には"431億円規模"に達する」とされており、エッジAI向けの次世代半導体の研究開発には"政府による支援の後押し"が大きな追い風となる。
生成AIの爆発的な人気にあったように、今後、エッジAI関連株の注目度も日増しに増えていくことが容易に想像できるだろう。ぜひ今回の記事を参考に、2024年の注目テーマ株「エッジAI関連銘柄」の動向をチェックしてほしい。