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【2018年07月10日(火)投稿】
2018年7月10日午前11時から15分間、東京証券取引所は出光興産と昭和シェル石油の株の売買停止を発表して市場をざわつかせる事となった。
これは以前から大きく報じられていた出光興産と昭和シェル石油の経営統合について、合意締結された事が発表された影響で、その周知の時間を設けられた形だ。
石油関連銘柄 出光興産
時価総額:892,320百万円
PER:(連) 8.66倍
PBR:(連) 1.03倍
≪2018/07/10時点≫
今回の経営統合で新会社の名前は「出光興産」となるが、社名の通称は「出光昭和シェル」となるそうだ。これで石油元売り業界ではJXTGホールディングスに次ぐ超大型企業が誕生する事となる。
尚、今回の経営統合の内訳は次の通りだ。
- 昭和シェル石油を2019年3月29日に上場廃止にする
- 2019年4月1日に株式交換により出光が昭和シェル石油を完全子会社化する
- 2018年10月に交換比率の合意を予定
- 出光興産は発行済株式総数の5.77%(1200万株)、上限550億円で自社株買いを実施
- 統合新会社に創業家が推薦する取締役2人を入れる
これまでずっと対立していた出光経営陣と大株主である創業家一族だが、新統合会社へ一族を取締役へ就任させる条件を提示、経営陣側がそれを受け入れる形で統合賛成へと転じる事となった。経営陣と創業者一族のゴタゴタは少々気になるが、それでもアジア屈指のリーディングカンパニーが誕生する事となる。
出光の月岡会長は今回の経営統合で短期的には500億円以上の相乗効果を創出すると発表している。少子高齢化や自動車の燃費向上に拠るガソリン需要の減少などで、日本国内だけでなく、アジアの中で強い製油所を作り、競争力を高める必要があるのだろう。
今回の出光と昭和シェル石油の経営統合ニュースを受けて、コスモエネルギーHDや富士石油、JXTGなど石油関連銘柄が軒並み上昇に転じる場面があった。やはりこれだけ大きな企業が経営統合を正式に発表したのだから、物色人気が高まった可能性もあるな。
いずれにしろ、出光興産も昭和シェル石油も色んな分野へ事業展開を行っている。影響があるのは石油関連だけではないだろう。太陽光発電や電気自動車関連、燃料電池関連にバイオマス発電、様々なテーマ株への波及も考えられる。今回の経営統合が他の関連銘柄にどのような影響を与えるか、良く考えて立ち回った方が良さそうだ。