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宇宙関連ビジネスが急速に拡大しているのをご存じだろうか?
ロケットや人工衛星の打ち上げを軸にした宇宙関連ビジネスは、ここ数年で急速な拡大を見せており、その世界市場は2040年には約1兆ドル(約150兆円)にまで増えるとされている。
また、宇宙関連ビジネスの市場拡大は日本国内においても例外ではなく、政府発表の『宇宙産業ビジョン2030』では、2030年代初頭には「国内市場規模を"2兆4千億円"」までに倍増させることが掲げられている。
そして、『宇宙関連ビジネスは国家主導型から民間主導型へ。』2023年には宇宙関連ベンチャーの「ispace(9348)」、「QPS研究所(5595)」がそれぞれ新規上場を果たし、注目したという方も多いのではないだろうか?
そこで今回の記事では、新しい成長産業として期待を集める「宇宙関連ビジネス」について、宇宙関連銘柄の一覧、本命・出遅れ株の情報まで詳しくご紹介する。
※この記事は、2024年1月5日に追記・編集した情報を掲載しています。
宇宙関連銘柄とは?
宇宙関連銘柄とは、宇宙開発や宇宙ビジネスに関連する銘柄のことである。具体的には人工衛星・GPS・位置情報サービスなどを手掛ける企業・宇宙ロケットのエンジン・燃料などを取り扱う企業・宇宙ゴミの除去・民間宇宙旅行・宇宙ステーションに関連する銘柄などをひっくるめて宇宙関連銘柄という。
普段生活している時は宇宙のことなどあまり気にかけないものだが、すでに我々の生活は宇宙ビジネスに支えられている。わかりやすいところではGPSなどは衛星を飛ばしてそこから位置情報が明確にわかるというもの。まさに宇宙ビジネスの一端だ。
これから宇宙ビジネスはまだまだ拡がりを見せる分野になる可能性を秘めている。自動運転技術やITS(高度道路交通システム)、IoT技術、ドローンに防災など宇宙ビジネスが絡むビジネスは幅広い。特に自動運転やIoTなどのまさに今が旬のテーマとも密接に絡んでいるところは宇宙関連銘柄の強みともいえる。複数のテーマ性が絡み合えば、それだけ該当する銘柄は注目を浴びやすい。株価の反応も大きいということだ。
宇宙関連銘柄は国策銘柄
安部政権ではアベノミクスが目標とする国内総生産(GDP)600兆円を達成するために、宇宙ビジネスを成長戦略の柱の一つとして推進するとしている。つまり宇宙関連銘柄は国策銘柄でもあるということだ。「国策に売りなし」という相場格言もある通り、国策銘柄は特に市場で注目されやすい。
また宇宙開発・宇宙ビジネスは一朝一夕でできるものではない。長いスパンでみなければならない分野だ。
2012年12月に宇宙開発戦略本部が「2024年度までの10年間の宇宙基本計画の行程表を改訂した」ということからも、長い目で宇宙ビジネスを推進していく計画であることがわかる。宇宙関連銘柄は長期的に注目されるテーマ株となる可能性を秘めている。
【2016年12月15日(木) 追記】
2016年10月11日、JAXAは「宇宙太陽光発電(SSPS)」の要素技術の実証試験に成功したと発表した。これも宇宙関連銘柄が注目されるようになったきっかけの一つだ。
※宇宙太陽光発電(SSPS)とは
宇宙太陽光発電(SSPS)とは、スペースソーラーパワーシステム(Space Solar Power Systems)の略で宇宙空間で太陽光エネルギーをマイクロ波あるいはレーザー光に変換し地球に伝送し電力として利用するシステムのことだ。
宇宙空間は昼も夜もなく、また雲などの遮蔽物が存在しないため常に晴天率100%。常に太陽光を蓄積することができる。どうやら宇宙太陽光発電(SSPS)では地上のおよそ1.4倍の強度の太陽光を利用できるとのことだ。
宇宙太陽光発電(SSPS)は太陽光を活用するエネルギーなので非常にクリーンでエコである。地球のエネルギー問題を解決する一つの可能性として注目される。宇宙太陽光発電(SSPS)関連銘柄も宇宙関連銘柄の一角として注目しておくべきだろう。
宇宙関連銘柄 一覧
ひとくちに宇宙関連銘柄といっても人工衛星を手掛ける銘柄だったり、宇宙開発にかかわる銘柄だったり宇宙ロケットや燃料・エンジンなどを手掛ける銘柄だったり、複数のジャンルに分かれている。わかりやすいように下記ザックリとおおまかなジャンルに分けてみた。
人工衛星関連
企業名・証券コード | 特徴 |
---|---|
明星電気(6709) | 人工衛星用観測機器、気象・防災観測機器 |
アイサンテクノロジー(4667) | 高精度3次元カーナビ・3次元地図計測無人飛行機 |
コア(2359) | JAXAと共同でcm級の測位受信機を研究 |
ジーエス・ユアサ(6674) | JAXAと共同で衛星用リチウムイオン二次電池開発 |
アイネット(9600) | 人工衛星システム設計 |
セック(3741) | 位置情報サービス |
パスコ(9232) | 航空測量 |
アジア航測(9233) | 航空測量 |
パイオニア(6773) | GPS(全地球測位システム) |
福井コンピュータHD(9790) | 測量土木CAD・3D計測 |
ブロードバンドタワー(3776) | 3Dマップ |
宇宙開発
企業名・証券コード | 特徴 |
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ツインバード工業(6897) | 宇宙実験用冷凍冷蔵庫「FROST」 |
フジックス(3600) | 糸の製造販売 小惑星探査機「はやぶさ」に糸採用 |
エルナー(6972) | 小惑星探査機「はやぶさ」電気二重層コンデンサ採用 |
ペプチドリーム(4587) | 国際宇宙ステーション「きぼう」で実験 |
富士重工業(7270) | JAXA向け無人機の開発 |
JIG-SAW(3914) | 宇宙群ロボット |
ロケット関連
企業名・証券コード | 特徴 |
---|---|
三菱重工業(7011) | ロケット |
川崎重工業(7012) | ロケット・航空宇宙事業 |
IHI(7013) | ロケット用燃料・衛星用エンジン 人工衛星搭載機器 |
日油(4403) | 宇宙ロケット用固体推進薬 |
ニチダイ(6467) | ロケット燃料タンク用フィルター |
櫻護謨(5189) | 宇宙機器用ゴム |
シンフォニアテクノロジー(6507) | 宇宙用大容量電動サーボアクチュエータ |
菱友システムズ(4685) | 飛行機やロケットの流体解析 |
ispace(9348) | 民間のロケット開発 |
キャノン電子(7739) | 総合宇宙企業、子会社がロケット開発 |
宇宙ごみ関連
企業名・証券コード | 特徴 |
---|---|
日東製網(3524) | 宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去 |
宇宙旅行関連
企業名・証券コード | 特徴 |
---|---|
KNT-CTホールディングス(9726) | 民間宇宙旅行 |
宇宙太陽光発電(SSPS)関連銘柄
企業名・証券コード | 特徴 |
---|---|
神島化学工業(4026) | レーザー用YAGセラミックス |
日本電気硝子(5214) | 超薄型ミラー |
三菱電機(6503) | ソーラーバード |
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宇宙関連銘柄 本命・出遅れ株
それでは本題、宇宙関連銘柄のなかでも本命視されそうな銘柄をピックアップしてみよう。また、出遅れ銘柄などがあれば追記していく。ただしこの項目は当方の主観や個人的意見も含むので参考までにお願いしたい。
宇宙関連銘柄 本命【4選】
アイサンテクノロジー(4667)
自動運転関連・ZMP関連銘柄としても知られるアイサンテクノロジーは宇宙関連銘柄としても本命視したい注目銘柄だ。
アイサンテクノロジーは測量・土木ソフトの開発販売が主な事業で、注目されるのは高精度な3次元位置情報移動計測装置。自動運転技術にも欠かせない技術だが、これは準天頂衛星「みちびき」などからの情報を活用できるか検討中とのこと。
アイサンテクノロジーは測量や高精度な3次元マップなどを手掛けることからも人工衛星からは切り離せない企業。値動きの軽さや知名度からも宇宙関連銘柄の本命として注目したい。
コア(2359)
コアも自動運転関連銘柄・ZMP関連銘柄としても注目の銘柄。コアも宇宙関連銘柄としても注目だ。コアは車載用の組み込みソフトなどが主力の企業だが、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と、共同で「精密単独測位方式対応cm級測位受信機」の研究開発をしている企業でもある。
現在、人工衛星を用いたGPSナビの精度は10m単位の誤差が出るらしいが、コアとJAXAが研究している「精密単独測位方式対応cm級測位受信機」では、その名の通り精度が数センチ単位となるとのこと。
これが実用化されれば需要は相当あるのではなかろうか。コアは宇宙関連銘柄でも本命視すべき銘柄かもしれない。
セック(3741)
セックはロボット関連銘柄としても注目された銘柄。リアルタイムソフトウェア技術に強みをもつ企業で位置情報サービスのシステムを構築するためのプラットフォーム「エアルック」を手掛ける。
他にも、科学衛星搭載エンベデッドシステムや準天頂衛星測位データ蓄積システムなど数々の宇宙関連の研究開発を行っている。セックも宇宙関連銘柄ドンピシャといえるか。時価総額も大きくなく値動きの軽さも面白い点。注目だ。
日東製網(3524)※本命・出遅れ
日東製鋼は宇宙関連銘柄の本命ダークホースとして注目したい。宇宙関連銘柄というと、どうしても人工衛星関連やGPS・位置情報サービスなどを手掛ける銘柄に目がいきがちだが、ここはそういう類ではない。
日東製網はスペースデブリ、いわゆる宇宙ゴミの除去・回収に一役買っている企業なのだ。
宇宙ゴミとはその名の通り、宇宙空間を漂うゴミ。これを放置しておくと凄まじい早さで動くため、人工衛星などにぶつかると非常に危険だ。宇宙開発が進み、人工衛星などが増えれば増えるほど宇宙ゴミも増える。地球が宇宙ごみに覆われる状態になってしまうことも危惧されるようで、もしそうなればやすやすとロケットを飛ばすこともできなくなる。
宇宙ゴミ問題はなかなか深刻なものだ。(詳しくはプラネテスというアニメをみよう)
で、宇宙ゴミ問題をJAXAがなんとかしようと考え、定置網を中心とした網(あみ)・ネットの最大手メーカー日東製網に特殊な網の開発を依頼。
これはなかなか面白い宇宙関連銘柄だと思うぞ。宇宙ゴミの除去に絡んでいる日本企業は当方は日東製網以外に聞いたことがない。
オンリーワンの宇宙事業に絡んでいる点ではかなり注目。また日東製網は時価総額も小さく、株価も動き安い。出遅れ感からも注目。大化けする可能性も含め、当方は注目したい。
宇宙関連銘柄 出遅れ【3選】
ニチダイ(6467)
ニチダイは独立系の金型メーカーだが、ロケットなどに使用される焼結金網フィルターの開発・製造なども行う。ニチダイはロケットに搭載される燃料タンク用のフィルターを手掛けていることから宇宙関連銘柄としても注目されている。
ニチダイは時価総額が小さく、また板も薄い銘柄。人気化すれば火柱が立ちやすい銘柄なのではないだろうか。宇宙関連の出遅れ銘柄として注目したい。
KNT-CTホールディングス(9726)
KNT-CTホールディングスも他の宇宙関連銘柄とはやや毛色が違う。KNT―CTホールディングスは旅行関連の事業を行っている企業で、同社傘下のクラブツーリズムは民間宇宙旅行の販売子会社を設立していることから宇宙関連銘柄の一角としてみられる。
宇宙旅行といっても、数分間の無重力体験と宇宙から地球を眺めることができるだけだが、それでも民間人が宇宙旅行できるというのは凄いことだ。面白い宇宙関連銘柄として注目したい。
【2016年12月06日(火)】
櫻護謨(5189)
宇宙関連銘柄の出遅れ株として櫻護謨(さくらごむ)に注目したい。櫻護謨は消防や防災関連などで利用されるゴムホースの専業企業で、航空・宇宙機器部門があり、航空機やロケット用のゴム部品などを製造していることから宇宙関連銘柄の一角としてみる向きがある。
時価総額が小さく、出来高も少ない。あまり目立たない銘柄なので、まだそこまで注目されていないが、出来高が薄く時価総額が小さいので人気化すれば火柱は立ちやすそうか?!宇宙関連銘柄の出遅れ株として注目したい。
宇宙太陽光発電 関連銘柄
神島化学工業(4026)
神島化学工業は宇宙太陽光発電(SSPS)関連銘柄のド本命といってよいのではないだろうか。神島化学工業はJAXAに『大型結晶(世界初)のレーザー用YAGセラミックス』を提供している企業だ。
レーザー用YAGセラミックスとは宇宙太陽光をレーザーに変換し地上の施設へ送るというもの。まさにドンピシャの宇宙太陽光発電(SSPS)関連銘柄と言える。
また神島化学工業は時価総額もさほど大きくなく値動きの妙味という面でも面白い。宇宙関連銘柄のなかでも本命視したい銘柄だ。
日本電気硝子(5214)
薄型パネル用ガラスの大手企業である日本電気硝子も宇宙太陽光発電(SSPS)関連銘柄として注目したい。日本電気硝子はJAXAの宇宙太陽光発電構想に「超薄型軽量ミラー」で参画している企業だ。
宇宙太陽光発電構想には巨大なミラーが必要不可欠。地球に太陽光エネルギーを送るためのレーザー光を作るミラーを日本電気硝子が提供しているのだ。こちらもドンピシャの宇宙太陽光発電(SSPS)関連銘柄だ。
日本電気硝子は神島化学工業よりも時価総額のケタが一つ大きいため、値動きの妙味としてはやや劣るものの注目しておきたい宇宙関連銘柄の一つである。
【追記】宇宙関連銘柄 IPO・注目株
【2023年05月02日(火)追記更新】
ispace(9348)
東証グロースに2023年4月上場のIPO銘柄、月への物資輸送サービスをはじめとした月面開発事業を展開する月面開発の事業化に取り組む宇宙ベンチャーだ。
世界で月面着陸に成功したのはアメリカ、旧ソ連、中国の3ヵ国しか例がなく、日本では初の月面着陸を挑んだが失敗となり株価は大暴落、今後スポンサー集めなどの問題はあるがミッション2の打ち上げは24年に再度月面着陸に挑むとしている。
宇宙関連では内容的に本命候補ではあるが、期待先行で上げすぎていただけに、しばらくは厳しそうだが注目しておくべき宇宙関連銘柄と言えるだろう。
キャノン電子(7739)
東証プライム上場、キヤノンの製造子会社。レーザースキャナーやカメラシャッター製造を柱に、宇宙開発事業、植物工場事業を展開。超小型人工衛星を開発・製造・販売。量産化に注力。将来的にはキヤノン電子グループでロケットを製造。専用のロケット発射場を建設。人工衛星の製造から打ち上げまでワンストップでの提供を実現。総合宇宙企業を目指す企業だ。
同社は子会社スペースワンが今夏にロケット初号機打ち上げ予定だが、今夏に予定されるロケット初号機打ち上げに成功し、人工衛星の製造から打ち上げまでワンストップで提供する総合宇宙企業に成長していけば株価は強い上昇となる見込みは高いと言えるだろう。
QPS研究所(5595)
QPS研究所は、2023年12月東証グロースに上場したIPO銘柄。小型SAR衛星の開発、製造、小型SAR衛星より取得した画像データ販売を行っている九州大学発のスタートアップ企業だ。
2023年6月には、米SpaceX社のロケット「Falcon 9」によって、小型SAR衛星QPS-SAR 6号機「アマテル-Ⅲ」の打ち上げに成功。2024年5月期中には5・7・8号機までの打上げが完了する見通し。同社の分解能1m以下100kg級小型SAR衛星は日本初。
注目を集めたQPS研究所の初値は、公開価格と同じ390円カイ気配でスタートして、公開価格の2.2倍にあたる860円で初値をつけた。先ほどご紹介した「ispace」とならび、宇宙関連株の本命候補として注目度は高い。