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KDDIは2月6日、コンビニ大手のローソンに対してTOB(公開買い付け)を実施すると発表。ローソン親会社の三菱商事とともに、共同経営という形をとって事業強化を進めるとのことだ。
TOBの開始時期は「今年の4月ごろ」を予定。TOBが成立すれば、KDDIと三菱商事が株式の50%ずつを保有することになり、ローソンは非上場化となる。
ドラッグストア業界1位の「イオン(ウエルシアHD)」による、業界2位「ツルハHD」の株式取得の動きが大きなニュースとなったが、今回の「KDDI・ローソン・三菱商事」3社による資本業務提携によって、コンビニ業界のパワーバランスも大きく変わるかも知れない。
さて、KDDIのTOB実施の知らせを受けて3社の株価には大きな動きが見られている。また、ローソンに関連性をもつ企業やコンビニ各社にも思惑買いが入る動きも目立っている。
KDDIが「ローソンTOB」に動いた理由とは?今後はどうなる?
KDDI発表のリリース「三菱商事・KDDI・ローソン、資本業務提携契約を締結」によると、
コンビニエンスストアを中心としたローソンが展開する事業において、三菱商事とKDDIは「リアル×デジタル×グリーン」を融合させた新たな生活者価値を創出する「マチの"ほっと"ステーション」の実現を目指します。
本提携を通じ、ローソンが有する約14,600店舗に訪れる1日あたり約1,000万人のリアルでのお客様や、KDDIが有する約3,100万人のお客様とのデジタルの接点を掛け合わせた「国内有数の生活者接点」に対して、各社が有する機能・サービスをつなぐことで、ローソン店舗において生活者の方々のあらゆるシーンに寄り添う新たな価値を創出し、またグリーン(環境負荷低減)を含む社会が直面する様々な課題の解決に向けた持続可能なサービスも提供します。
とのこと。
つまり、『ローソンとKDDIの強みを融合させた「リアル・デジタル融合型サービス」の開発に取り組む。』ということらしい。これにより、全国のローソン店舗で、
- オンライン診断後の服薬始動と薬の受け渡し
- KDDIの各種金融サービスやスマホのサポート
といった「未来のコンビニ」をテーマにした各種サービスの提供を構想しているとのことだ。
ローソンのTOB価格はいくら?上場廃止はいつごろなのか?
TOB価格は「1株・10360円」。買い付け予定数は「4,792万4,270株(下限1,445万8,800株、上限設定はなし)」とのこと。
TOB開始時期は「今年の4月ごろ」を予定。今回のTOB成立後にローソンは上場廃止となる見込みだ。2月6日付で東証管理銘柄(確認中)に指定されている。
一連のTOBで「KDDI・ローソン・三菱商事」の株価はどのような値動きを見せたのか?
ローソン(2651)
大幅続伸で"上場来高値"を更新!!
KDDIによるTOB実施の発表を受けて大幅続伸。TOB価格のサヤ寄せを目的とした動きが優勢となり、現在(11:40時点)の株価は「前日比:+1,387円(+15.56%)」の爆上げ状態に。年初から大きく値を上げていたことを見ると…。
三菱商事(8058)
大規模な自社株買いが好感され大きく急伸!!
23年4~12月期連結決算では「売上高:9.7%減」「純利益:27.1%減」と減収減益を発表があったが、発行済み株式の10%・5000億円を上限にした大規模な自社株買いも発表。現在(11:40時点)の株価は「前日比:+242円(+9.55%)」、大規模な自社株買いが好感されて大きく急伸している。
KDDI(9433)
TOB実施の市場評価はイマイチ。一時「3.2%安」まで下落する場面も。
ローソン、三菱商事が大きく値を上げる一方で、TOBを実施したKDDI株は軟調。一時「3.2%安」の4,540円まで下落する場面も見られた。本業との違いから市場評価は今のところイマイチのようだ。
この他、ローソンの爆上げを受けて、取引関係にある銘柄や各コンビニ銘柄にも思惑買いが向かう動きが見られている。
- スリーエフ(7544)
- ポプラ(7601)
- イオン(8267)
今回のTOB劇で大きく株価を急伸させている「ローソン」と「三菱商事」。そして、市場評価がイマイチ追いついていない「KDDI」。今後の値動きとあわせてコンビニ業界に与える影響についても注目していきたい。