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CO2(二酸化炭素)といえば、これまで地球温暖化の大きな原因とされてきた物質。いわば、悪者にされてきた地球温暖化の原因物質で、世界規模でCO2削減に向けての動きが活発だったわけだが、ここにきてCO2に対する風向きが変わってきた。
なんと「CO2を環境破壊の悪者としてではなく資源として捉えよう」という動きが広まってきたのだ。この動きは「カーボンリサイクル」や「CCUS」、「CO2資源化」などと呼ばれる。カーボンリサイクルが注目されているのは、2019年06月に「G20エネルギー・環境相会合」が開かれ、そこでCO2の回収・利用・貯留の開発・強化が取り上げられたことも大きなきっかけの一つ。また、このG20エネルギー・環境相会合に先駆けて経済産業省は2019年06月07日(金)に「カーボンリサイクル技術ロードマップ」を公表している。
こういった動きにともない日本の株式市場においてもカーボンリサイクル関連銘柄(CCUS関連銘柄)に注目が集まりつつある。と、いうことでこのページではカーボンリサイクル関連銘柄(CCUS関連銘柄)について本命株・出遅れ株 一覧を詳しくわかりやすくまとめておく。
カーボンリサイクル関連銘柄(CCUS関連銘柄)とは
カーボンリサイクル関連銘柄とは、二酸化炭素(CO2)の資源化、カーボンリサイクル・CCUSに関連する銘柄の総称である。
カーボンリサイクル・CCUSとは
まずはカーボンリサイクルについてもう少し詳しく説明しておこう。カーボンリサイクルとは、これまで環境破壊の原因物質として削減対象とされてきたCO2(二酸化炭素)を、単なる悪者としてではなく「環境資源の一つとして利用してしまおう!」という考え方・技術のこと。
カーボンとは直訳すると「炭素」の意味だが、時に二酸化炭素をカーボンと呼ぶこともある。つまりここで言うカーボンリサイクルの「カーボン」は炭素ではなく「CO2(二酸化炭素)」の意である。
ちなみに「カーボンリサイクル」「CCUS」「CO2資源化」は同じ意味だと考えて良い。
CCUSは「Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage」の略。英語だとよくわからないかもしれないが、要は分離・貯留したCO2を利用しようということ。つまりカーボンリサイクルと同義である。
一つ例を挙げると、アメリカではCO2を古い油田に注入することで油田に残った原油を圧力で押し出し、さらにCO2を地中に貯留するというCCUSが行われている。古い油田の石油増産に繋がり、また大気中のCO2も削減することができるCCUSビジネスである。
このようにこれまで環境破壊の悪者として取り扱われてきたCO2を逆にビジネスとして利用してしまおうというのが「カーボンリサイクル・CCUS・CO2資源化」という新たな考え方だ。
カーボンリサイクル関連銘柄(CCUS関連銘柄) 一覧
- 5019 出光興産 CO2資源化の新技術開発の研究会を設立
- 4208 宇部興産 CO2資源化の新技術開発の研究会を設立
- 1963 日揮 CO2資源化の新技術開発の研究会を設立
- 9513 J-POWER 出資企業がCO2資源化 CO2の有効活用を検討
- 9504 中国電力 出資企業がCO2資源化 CO2の有効活用を検討
- 2811 カゴメ トマト菜園などでCO2を利用しバイオ燃料研究
- 7004 日立造船 CO2による炭素循環モデルの構築実証
- 4204 積水化学工業 CO2による化学品製造に関する炭素循環モデルの構築実証
- 1605 国際石油開発帝石 二酸化炭素地中貯留技術研究組合の会員
- 1662 石油資源開発 二酸化炭素地中貯留技術研究組合の会員
- 1801 大成建設 二酸化炭素地中貯留技術研究組合の会員
- 9755 応用地質 二酸化炭素地中貯留技術研究組合の会員
- 2931 ユーグレナ CO2などを利用するミドリムシ培養
- 8001 伊藤忠商事 ユーグレナとミドリムシ培養の実証事業で協力
- 1802 大林組 水素細菌を活用しCO2から生分解性プラスチック製造技術
- 6502 東芝 独自開発した触媒電極でCO2から化学品や燃料の原料を変換
- 4188 三菱ケミカルHD ソーラー水素等製造プロセス技術開発に参加
- 4183 三井化学 ソーラー水素等製造プロセス技術開発に参加
- 4901 富士フイルムHD ソーラー水素等製造プロセス技術開発に参加
- 5332 TOTO ソーラー水素等製造プロセス技術開発に参加
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カーボンリサイクル関連銘柄(CCUS関連銘柄) 本命株・出遅れ株
それではカーボンリサイクル関連銘柄の中でも特に本命視されそうな銘柄をピックアップしていこう。出遅れ銘柄などもあれば今後追記するつもりだ。なお、この項目は当方の主観を含む内容のため、参考までに願う。
本命株 宇部興産
時価総額:237,251百万円
PER:(連) 7.28倍
PBR:(連) 0.69倍
≪2019/06/28時点≫
カーボンリサイクル関連銘柄として宇部興産はチェックしておきたい。宇部興産は石油の元売り2位で石油化学や原油や石炭開発も手掛けている。
宇部興産と出光興産、日揮の3社は2019年06月10日に複数の大学と教職して火力発電所や工場から排出されるCO2を資源に転換する新技術開発を目的とした研究会を設立したと発表している。カルシウムなどを多く含む産業廃棄物を活用してCO2と反応させて炭酸塩化および高付加価値化するというもの。炭酸塩などを建築や土木材料として利用することを見込むという。
宇部興産は決して時価総額規模が小粒というわけではなく、むしろ大型だが、出光興産や日揮と比べるとやや小さめなので注目しておきたい。
本命株 J-POWER
時価総額:447,560百万円
PER:(連) 10.66倍
PBR:(連) 0.56倍
≪2019/06/27時点≫
J-POWERもカーボンリサイクル関連銘柄の一角として注目しておきたい。J-POWERは電力卸を手掛ける企業だ。
J-POWERは中国電力と共同で出資する「大崎クールジェン」という企業が実証するCO2分離・回収型酸素吹石炭ガス化燃料電池複合発電から回収されるCO2の有効利用に向けた検討を開始している。
回収したCO2はJパワーがカゴメと共同運営するトマト菜園や微細藻類からバイオ燃料を生産する研究に活用するとのこと。ちなみに中国電力は環境配慮型コンクリートでCO2を活用する模様。
J-POWERと同様に中国電力やカゴメもカーボンリサイクル関連銘柄として注目しておきたい。
本命株 日立造船
時価総額:67,235百万円
PER:(連) 13.31倍
PBR:(連) 0.56倍
≪2019/06/27時点≫
日立造船もカーボンリサイクル関連銘柄として注目。環境省は2018年度から「清掃工場から回収した二酸化炭素の資源化による炭素循環モデルの構築実証」を実施しているが、この構築実証で技術開発を担当しているのが日立造船である。
日立造船の時価総額規模も決して小粒というわけではないが、カーボンリサイクル関連銘柄は大型企業ばかり。そのなかでは比較的時価総額も小さい方。中期スタンスくらいなら面白い銘柄と言えるかもしれない。
出遅れ株 応用地質
時価総額:30,037百万円
PER:(連) 21.88倍
PBR:(連) 0.43倍
≪2019/06/27時点≫
応用地質もカーボンリサイクル関連銘柄の一角として注目しておきたい。応用地質は地質調査で首位の企業で建設コンサルなども手掛ける企業だ。
応用地質は2016年に設立された「二酸化炭素地中貯留技術研究組合」の会員企業。この組合には応用地質の他に、国際石油開発帝石や石油資源開発、大成建設などが名を連ねている。これらの企業のなかで一番小粒なのが応用地質だ。
大型株ばかりのカーボンリサイクル関連銘柄のなかで応用地質は比較的、小型のため人気化すれば値動き妙味は面白そうだ。カーボンリサイクル関連銘柄のダークホースとして注目しておきたい。
本命株 ユーグレナ
時価総額:87,896百万円
PER:(連) ---倍
PBR:(連) 6.55倍
≪2019/06/27時点≫
微細藻のミドリムシを活用した機能性食品やバイオジェット燃料の商業化を手掛けるユーグレナもカーボンリサイクル関連銘柄の一角として注目しておきたい。
ユーグレナは伊藤忠商事とミドリムシの海外培養実証事業で覚書を締結している。この実証事業では火力発電所から排出されるCO2や廃熱を利用しミドリムシを培養。バイオ燃料用や飼料用ミドリムシ生産の商業化に向けた実験を海外で行うというもののようだ。
ユーグレナと伊藤忠もカーボンリサイクル関連銘柄として注目しておきたい銘柄と言えるだろう。
本命株 大林組
時価総額:766,965百万円
PER:(連) 6.94倍
PBR:(連) 0.99倍
≪2019/06/27時点≫
大林組もカーボンリサイクル関連銘柄の一角として注目しておきたい。大林組は水素細菌を活用してCO2から生分解性プラスチックであるポリ乳酸を製造する技術の実用化を検討する企業。再生可能エネルギーから製造した水素を用いることで化学品原料の脱化石化に貢献する可能性がある意義のある技術である。
ちなみに「水素細菌」とは水素と酸素の反応によって生じる化学エネルギーを利用し生体内でCO2が有機物に変化する反応を行う細菌のことだ。
大林組は時価総額規模も大きく値動きもマイルドになりそうだが、材料としては面白いため注目しておきたい。
本命株 三菱ケミカルホールディングス
時価総額:1,134,235百万円
PER:(連) 6.36倍
PBR:(連) 0.78倍
≪2019/06/27時点≫
三菱ケミカルホールディングスもカーボンリサイクル関連銘柄の一角として注目しておきたい。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)では、ソーラー水素とCO2からプラスチック原料などの基幹化学品を製造するという植物の光合成プロセスの一部を模した化石資源に頼らない革新的な化学品製造の実用化を目指した取り組みを進めているが、この技術開発の一つ「ソーラー水素等製造プロセス技術開発」プロジェクトに三菱ケミカルホールディングスや三井化学、富士フイルム、TOTOなどが参加している。三菱ケミカルホールディングスだけでなく、他の参加企業にも注目だ。
三菱ケミカルホールディングスはかなり時価総額規模が大きめの企業なので値動きは重そうだ。PER、PBRが低めなので長期スタンスで取り組むのならば面白いかもしれない。
カーボンリサイクル関連銘柄 まとめ
カーボンリサイクル関連銘柄は時価総額規模の大きな大企業が多いため、テーマ株として人気化したとしても短期で爆発的な急騰となることは少なそうだが、環境問題に絡んでいるテーマであることは面白い。
世界的に環境への配慮は強まるばかり。エコ問題系のテーマは今後長期に渡り注目されるかもしれない。カーボンリサイクル関連銘柄、CCUS関連銘柄の本命株・出遅れ株 一覧はしっかりと把握しておきたい。また他のエコ系テーマ株に人気が波及した時のために、下記のテーマ株にも注目しておこう。
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