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通信販売市場の急拡大やフリマアプリ市場の急拡大により、現在は物流業界でも大きな転換期を迎えていると言われている。
その中でも国内物流における「モーダルシフト」、要は「輸送手段の転換」がここに来て進展しているらしく、注目度が高まっている。
そもそも「モーダルシフト」の主目的とは、二酸化炭素(CO2)排出量の削減にある。しかし近年ではトラックドライバーの人手不足対策としてモーダルシフトに取り組む企業が増加しているのだ。
そこで当ページでは、モーダルシフト関連銘柄について本命株・出遅れ株 一覧を詳しくまとめておく。
モーダルシフト関連銘柄とは
モーダルシフト関連銘柄とは、その名の通りモーダルシフト(輸送手段の転換)に関連する陸運・海運などの物流サービスを手掛ける銘柄の総称である。
主にトラックによる貨物輸送を、鉄道・船舶などの大量輸送出来るものに切り替え、転換する事を指す。モーダルシフトを行う事で起こりえるメリット・デメリットも存在する。
モーダルシフトのメリット
- 二酸化炭素(CO2)排出量の削減
- 遠方地域への輸送ではコスト削減される可能性が高い
- 一度に大量の輸送が出来、人員の削減に繋がる(輸送の効率化)
モーダルシフトのデメリット
- トラック輸送より輸送時間が長くなる可能性が高い
- 駅や港などで積み替えが必要な為、品質リスクがある
- 船舶ならば天候、鉄道ならばダイヤ乱れなどでジャストインタイムに対応出来ないケースが増加
メリット・デメリットは存在するが、長距離は大型輸送(鉄道・船舶など)で、近場は小型輸送(トラックなど)で輸送を行うのが、環境にも人員コストにも最も効率的だ。特に日本はエネルギー資源を輸入に頼っている国だし、高齢化社会の状況を考えても「物流の効率化」は喫緊で対策が必要な課題である。
尚、このモーダルシフトは国土交通省が荷主・物流業者を中心に推進している事もあり、各物流大手企業もその取り組みを強めている。
モーダルシフト関連銘柄 一覧
モーダルシフトはトラック主体の物流から他の大型輸送へ転換させるのが目的だ。関連銘柄は主に「鉄道」「船舶」「倉庫」に分けられる。
鉄道系
- 9020 JR東日本 国内最大手の鉄道会社
- 9021 JR西日本 北陸近畿中国九州北部に鉄道展開
- 9022 JR東海 東海道新幹線が収益の柱、在来線も
- 9142 JR九州 九州全域の鉄道会社
- 9076 セイノーHD 人手不足改善の為モーダルシフト化
船舶系
- 9101 郵船 総合海運大手
- 9104 商船三井 世界最大級の航路網
- 9107 川崎汽船 コンテナ船中心
- 9127 玉井商船 穀物輸送などに強み
- 9171 栗林商船 北海道・東京・大阪が主航路
- 9179 川崎近海汽船 製鉄・製紙が安定荷主
- 9380 東海運 アジア船ターミナルが主力
倉庫系
- 9301 三菱倉庫 倉庫業最大手
- 9302 三井倉HD 倉庫業大手
- 9303 住友倉庫 海陸一貫サービスを展開
- 9310 日本トランスシティ 中部最大の倉庫大手
- 9357 名港海運 名古屋港の港湾運送大手
- 9358 宇徳 商船三井系の港湾運輸大手
- 9362 兵機海運 姫路港が拠点
- 9363 大運 パナソニック、大日本スクリンが有力荷主
- 9364 上組 6大港の取扱高トップ
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モーダルシフト関連銘柄 本命株・出遅れ株
それではモーダルシフト関連銘柄の中でも特に本命視されそうな銘柄をピックアップしていこう。出遅れ銘柄などもあれば追記していくつもりだ。なお、この項目は当方の主観を含む内容のため、参考までに願う。
本命株 JR東日本
時価総額:4,145,797百万円
PER:(連) 14.32倍
PBR:(連) 1.45倍
≪2018/05/25時点≫
JR東日本はご存知、国内最大手の鉄道会社だ。時価総額が巨額な為、資産株としての需要が高い銘柄となるが、物流業界でモーダルシフト化が進むならば、陸路では鉄道が大きな存在感を示す事となるだろう。その点では決して無視出来ない銘柄だ。同じくJR西日本、東海、九州なども長期目線で注目しておきたい。
本命株・出遅れ株 セイノーHD
時価総額:439,450百万円
PER:(連) 21.55倍
PBR:(連) 1.06倍
≪2018/05/25時点≫
トラック運輸を主軸にしている西濃運輸がモーダルシフト化を推進するのは悪影響と考えていたのだが、セイノーHDはむしろモーダルシフト化へ積極的だ。西濃運輸は長距離のトラック定期便を原則、鉄道輸送に切り替える施策を進めている。鉄道を利用する事で、トラック運転手の数を1割減らせる試算らしい。トラック運輸を主軸にしている企業でもモーダルシフト化へ舵を切らなければならない程、今は人材不足が深刻という事か。
本命株・出遅れ株 川崎近海汽船
時価総額:10,998百万円
PER:(連) 8.75倍
PBR:(連) 0.45倍
≪2018/05/25時点≫
国内船舶では釧路~苫小牧~仙台~東京~名古屋~大阪に複数の航路を擁しており、紙製品・工業製品・生鮮野菜・一般雑貨・建機・自動車等幅広く運輸を行っている。モーダルシフト化を推進している企業でもあり、船舶系のモーダルシフト関連銘柄の中でも本命株・出遅れ株として注目したい銘柄だ。
本命株・出遅れ株 玉井商船
時価総額:2,357百万円
PER:(連) 3.68倍
PBR:(連) 0.53倍
≪2018/05/25時点≫
船舶系モーダルシフト関連銘柄の中でも時価総額が小さく、値動き的にも面白そうな存在が玉井商船だ。特に全農向け穀物輸送に強みがあるだけに、今後モーダルシフト化が進めば一気に業績を伸ばす可能性も見込めるかもしれない。
本命株・出遅れ株 大運
時価総額:2,585百万円
PER:(単) 17.20倍
PBR:(単) 0.99倍
≪2018/05/25時点≫
モーダルシフト化で船舶への物流転換が進めば、同時に倉庫企業の需要が上がる事が予想される。その中でも、モーダルシフト関連銘柄の本命株・出遅れ株として注目したいのが大運だ。阪神港を地盤にした港湾運送業を行っており、パナソニックや大日本スクリンが有力荷主となっている。環境保全活動を自主的に推進する為のマニュアルを作成し、グリーン経営の普及を推進している。時価総額も大きくはない為、テーマ性に注目が集まれば面白い存在だろう。
本命株・出遅れ株 兵機海運
時価総額:2,166百万円
PER:(連) 8.27倍
PBR:(連) 0.90倍
≪2018/05/25時点≫
こちらもモーダルシフト関連銘柄の中では比較的、小粒な銘柄で値動きにも期待できそうだ。兵機海運は姫路港を拠点としており、海陸一貫輸送を主軸としている為、モーダルシフト化への対応にスピード感を持てる点が強みとなるだろう。昭和17年に兵庫県下の全内航業者と船主が集約統合された歴史があり、地元に愛されている企業という点も特筆したい。
モーダルシフト関連銘柄 まとめ
モーダルシフトは日本の物流業界にとって、避けては通れない課題の一つだ。通信販売市場の急拡大やフリマアプリ市場の急拡大により、現在の物流業界は更なる効率化が必要とされている。
モーダルシフトは環境保護・エネルギーコスト・人員コストの問題を一気に解決出来る反面、デメリットも存在する点には注意したい。国土交通省が推進しているテーマ株ではあるが、トラック運輸を手掛ける大手企業はAI技術などを活用した「自動運転」にも注力している。つまり競合するテーマ株も存在するという訳だ。
どちらが今後の主流となるのか、その判断をしながらモーダルシフト関連銘柄 本命株・出遅れ株の動向には今後も注目をしておきたい。