この記事にはプロモーションが含まれます。
世界的に環境規制の機運が高まってきている。特に今、注目されているのは自動車の排出ガス規制だろう。
イギリス・フランス・ドイツなどは将来的にガソリン車・ディーゼル車を廃止しEV(電気自動車)へシフトしていくことを発表しているし、EVだけでなく通常の燃料車においても燃料消費量を少なくし二酸化炭素の排出量を減らすために車体の軽量化は課題の一つとされている。
日本の株式市場においても「自動車軽量化」は一つのテーマとして注目されているようだ。と、いうことでこのページでは自動車軽量化関連銘柄について本命株・出遅れ株 一覧を詳しくまとめておく。
自動車軽量化関連銘柄とは
自動車軽量化関連銘柄とは、その名の通り、自動車の車体軽量化に関連する銘柄の総称である。具体的には、アルミや炭素繊維、セルロースナノファイバー(CNF)など、従来では鉄鋼製品が使われていた自動車パーツを軽量化した製品を手掛ける銘柄などが当てはまる。
自動車軽量化関連銘柄が注目される理由
自動車軽量化関連銘柄が注目される理由は世界的に環境規制の機運が高まってきていることが大きな理由の一つである。欧米諸国でも二酸化炭素の排出量を低減させるために将来的にはガソリン車やディーゼル車の販売を規制するとしているし、EVだけでなく燃料車においても燃料消費量を少なくするために車体の軽量化は急務である。
EV(電気自動車)の航続距離伸長には自動車軽量化が必要不可欠
また、自動車の車体軽量化はEV(電気自動車)の普及にも必要不可欠とされている。かねてからEV(電気自動車)は「航続可能距離が燃料車に比べて短いこと」が課題の一つと言われている。
「EVの航続可能距離伸長」には自動車の車体軽量化は、ダイレクトに影響してくる部分だ。自動車の車体が軽くなれば、当然ながら必要なエネルギーも少なくて済む。単純に車体が軽くなれば、EVの航続可能距離は伸びるというわけだ。
このことから自動車軽量化はEV(電気自動車)関連銘柄とも非常に深い関わりがあると言える。自動車軽量化関連銘柄は、広義では「EV関連銘柄の一部」とも言い換えることができるだろう。自動車軽量化関連銘柄とEV関連銘柄は同時期に注目される可能性も高い親和性の高いテーマ株なので、どちらもしっかりと把握しておくべきだ。
※EV関連銘柄については別ページにまとめてあるので、下記リンクから参照してほしい。
自動車軽量化関連銘柄 一覧
- 4963 星光PMC
- 3401 帝人
- 3402 東レ
- 4042 東ソー
- 4118 カネカ
- 4188 三菱ケミカルホールディングス
- 5970 ジーテクト
- 5975 東プレ
- 5987 オーネックス
- 4631 DIC
- 7282 豊田合成
- 7298 八千代工業
- 3116 トヨタ紡織
- 4401 ADEKA
- 3101 東洋紡
- 4971 メック
- 5406 神戸製鋼所
- 5801 古河電気工業
- 6471 日本精工
- 5486 日立金属
- 5703 日本軽金属ホールディングス
- 5411 ジェイ エフ イー ホールディングス
- 4183 三井化学
- 3861 王子ホールディングス
- 3880 大王製紙
- 5711 三菱マテリアル
- 5741 UACJ
- 4203 住友ベークライト
- 4204 積水化学工業
- 4208 宇部興産
- 4242 タカギセイコー
- 4246 ダイキョーニシカワ
- 5191 住友理工
- 5401 新日鐵住金
- 6902 デンソー
- 6302 住友重機械工業
- 6327 北川精機
- 6479 ミネベアミツミ
- 6810 マクセルホールディングス
- 7230 日信工業
- 7251 ケーヒン
- 7259 アイシン精機
- 7988 ニフコ
- 9845 パーカーコーポレーション
- 9972 アルテック
- 7238 曙ブレーキ工業
"出遅れ株"を見つける方法とは?
【PR】短期で収益を狙うなら!プロ注目の銘柄情報をはじめ、業界の最新情報までをイチ早く手に入れるのは必須の条件。さらに、絶好の買い場を迎える"出遅れ株"を掴むには…。
テーマ株の情報に強い株の情報サイトを利用するべきだ!
自動車軽量化関連銘柄 本命株・出遅れ株
それでは自動車軽量化関連銘柄のなかでも特に本命視されそうな銘柄をピックアップしていこう。出遅れ銘柄などもあれば追記していくつもりだ。なお、この項目は当方の主観を含むため参考までに願う。
本命株 三菱ケミカルホールディングス
時価総額:1,830,893百万円
PER:(連) 9.72倍
PBR:(連) 1.45倍
≪2017/11/06時点≫
自動車軽量化関連銘柄の本命株として注目しておきたいのは三菱ケミカルホールディングスだ。
三菱ケミカルホールディングスは総合化学首位の企業で、自動車用の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を手掛けている。2017年8月には、三菱ケミカルの炭素繊維複合材料をハイサイクルプレス成型で製品化したルーフがドイツのAudi社の自動車に採用されたことも発表している。
また、三菱ケミカルは欧米市場での炭素繊維事業の拡大を図るために、イタリアの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)自動車部品製造販売会社「CPC社」に資本参加するとも発表している。
まさに自動車軽量化関連銘柄の本命株と言えるだろう。
ただし、三菱ケミカルホールディングスは時価総額の大きな大企業。短期スタンスでの値動き妙味という面では少し面白みに欠けるかもしれない。どちらかというと中長期スタンスでどっしりと腰を据えて取り組みたい銘柄と言えそうか。
本命株 帝人
時価総額:473,078百万円
PER:(連) 10.74倍
PBR:(連) 1.30倍
≪2017/11/06時点≫
合成繊維の大手メーカーで炭素繊維は世界で2位の「帝人」も自動車軽量化関連銘柄の一角として注目しておきたい。
帝人は軽くて衝撃に強いポリカーボネート樹脂「パンライト」という素材を手掛けており、こちらはガラスが金属に替わる自動車のパーツとしてトヨタの「レクサスLFA」や仏シトロエンの「DS5」などに採用されているようだ。
また、帝人も炭素繊維複合材料(CFRP)を手掛けており、熱可塑性CFRPによる複合製品を1分以内の作業時間で量産する技術を世界に先駆けて開発。現在はゼネラルモーターズと共同で量産車に向けた製品開発を進めているようだ。
さらに自動車だけでなく、帝人の炭素繊維「テナックス」は航空機の軽量化にも使われている。自動車や航空機などの軽量化に関連する企業として注目しておきたい。
ただ、帝人も時価総額の大きな大企業なので、こちらも短期スタンスでの値動き妙味では面白みに欠ける。こちらも短期スタンスでの値幅取りにはあまり向かない銘柄と言えるだろう。
本命株・出遅れ株 星光PMC
時価総額:38,030百万円
PER:(連) 21.56倍
PBR:(連) 1.67倍
≪2017/11/06時点≫
自動車軽量化関連銘柄の本命株・出遅れ株として注目しておきたいのが、セルロースナノファイバー(CNF)を手掛ける星光PMCだ。
セルロースナノファイバー(CNF)は植物由来の原料から作れるエコ素材で、鋼鉄の5分の1の軽さで、鋼鉄の5倍の強度、ガラスの50分の1の低熱膨張という特徴をもつ夢の新素材だ。まだセルロースナノファイバーが自動車の車体パーツに採用されたという話は聞いたことはないが、将来的には自動車や航空機、船などのパーツとして利用される可能性が指摘されている。
セルロースナノファイバー関連の本命株である星光PMCは自動車軽量化関連銘柄としても注目しておきたい出遅れ銘柄と言えるのではないだろうか。
なお、星光PMCは時価総額規模もさほど大きくなく値動き妙味という面でも面白そうだ。自動車軽量化関連銘柄のダークホースとなるか?!注目したい。
本命株・出遅れ株 タカギセイコー
時価総額:11,078百万円
PER:(連) 10.91倍
PBR:(連) 1.96倍
≪2017/11/06時点≫
工業用プラスチック成型品や成型用金型を手掛けるタカギセイコーも自動車軽量化関連銘柄の一角として注目しておきたい。
タカギセイコーは樹脂と複合素材の加工技術の開発に取り組んでおり、その技術を活用した樹脂とガラス繊維の複合素材による自動車部品などの製品の安定生産と連続生産を可能にする「TS高速スタンピング成形システム」を開発している。このタカギセイコーの「TS高速スタンピング成形システム」で使って生産された自動車部品はHonda車に搭載された実績もあるようだ。
また2013年にはタカギセイコーを含む、東京大学・東レ・三菱レイヨン・東洋紡などの研究グループは自動車向けの高速成型加工などが可能な「炭素繊維強化熱可塑性プラスチックス(CFRTP)」の開発に成功したとも発表している。
タカギセイコーも自動車軽量化関連銘柄の一角とみるべきだろう。タカギセイコーは時価総額規模も小さく値動きが軽い点も面白い。人気化すれば火柱が立ちやすい銘柄と言えるだろう。
本命株 オーネックス
時価総額:3,752百万円
PER:(連) 19.91倍
PBR:(連) 0.71倍
≪2017/11/06時点≫
小型株ではオーネックスも自動車軽量化関連銘柄の本命株として注目したい。オーネックスは鋼材の表面硬度を強化する焼き入れ加工など、金属の熱処理加工を手掛ける企業で自動車向けは4割を占める。
オーネックスではEVシフトや排ガス規制の流れを受けて、自動車パーツの軽量化・小型化に対応した処理方法を確立しているとのこと。
オーネックスも時価総額規模が小さく値動きが軽い銘柄だ。人気化した場合は火柱が立ちやすい銘柄と言えるだろう。自動車軽量化関連銘柄の本命株として注目しておきたい。
本命株 神戸製鋼所
時価総額:397,157百万円
PER:---倍
PBR:(連) 0.55倍
≪2017/11/06時点≫
鉄鋼やアルミ・銅などの素材を手掛ける神戸製鋼所も自動車軽量化関連銘柄として注目。神戸製鋼所は自動車向けに鉄鋼よりも軽いアルミ製品などを手掛けていることが自動車軽量化関連としての注目ポイントだが、2017年10月にはアルミ製品を含む、大規模なデータ改ざん問題という不祥事が発覚している。
不祥事発覚により、神戸製鋼所の代替需要銘柄に物色は流れているように感じる。神戸製鋼所の代替需要銘柄については、以下のページにまとめてあるので、そちらも併せてチェック推奨。
本命株 北川精機
時価総額:4,177百万円
PER:(連) 14.91倍
PBR:(連) 3.31倍
≪2017/11/06時点≫
北川精機はスマホやタブレットなど、あらゆる電子機器に内蔵されるプリント基板を製造する真空プレス装置を手掛ける銘柄だ。この北川精機がもつ真空プレス装置はプリント基板だけでなく、さまざまな分野へ応用できるものらしく、自動車軽量化関連としては炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の成型も可能だという。
2016年8月には、炭素繊維強化熱可塑性樹脂シート材の成形が可能な真空プレス装置を開発したと発表したと発表し、大きく株価を上げた経緯もある。
北川精機は時価総額規模が小粒な銘柄で、値動きは軽いと言えるだろう。自動車軽量化関連銘柄のなかでも短期資金に好まれそうだ。短期スタンスでも妙味がある銘柄と言えるだろう。
出遅れ株 八千代工業
時価総額:40,800百万円
PER:(連) 7.99倍
PBR:(連) 0.69倍
≪2017/11/06時点≫
ホンダ子会社の八千代工業も自動車軽量化関連銘柄として注目されるかもしれない。八千代工業は樹脂性燃料タンクやサンルーフを主とした自動車部品の開発・製造を手掛ける。自動車の軽量化、低燃費化に寄与する素材、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた自動車部品の量産化技術の構築を進めている銘柄だ。
八千代工業の時価総額規模は小粒とまではいかないものの、値動きが重いというほどでもない。こちらも自動車軽量化関連銘柄の一角として注目しておきたい銘柄と言えるだろう。
出遅れ株 アルテック
時価総額:5,942百万円
PER:(連) 17.54倍
PBR:(連) 0.57倍
≪2017/11/06時点≫
3Dプリンタ関連銘柄のアルテックも、自動車軽量化関連銘柄として注目される可能性があるかも。アルテックは3Dプリンタのトップメーカー「Stratasys社」の国内代理店。
アルテックは2014年の自動車軽量化技術展において、自動車分野での3Dプリンタを活用した事例を紹介していることから、自動車軽量化関連銘柄の一角とみる見方も。
アルテックは小粒銘柄なので値動きが軽い点は面白いかもしれない。本命株ではないかもしれないが、出遅れていた場合は、面白いかも?!
【2018年06月13日(水)追記】
本命株・出遅れ株 曙ブレーキ工業
時価総額:42,022百万円
PER:(連) 20.59倍
PBR:(連) 1.52倍
≪2018/06/13時点≫
自動車ブレーキの世界最大手企業「曙ブレーキ工業」も自動車軽量化関連銘柄の本命株・出遅れ株として注目だ。
曙ブレーキ工業は独立系のブレーキメーカーで日産、トヨタ、米GMなどを中心に多数の自動車メーカーにブレーキを供給している企業。
06/13(水)付けの日本経済新聞で「曙ブレーキ工業は40年ぶりにブレーキの基本構造を新開発した」と報じられた。この新開発のブレーキは「ディスクブレーキ」という種類で、構造を見直すことにより強度の面から採用に制限があったアルミニウムの部材を多く使うとのこと。これにより従来のものよりもブレーキが安定しさらに最大3割もの軽量化ができるとのことだ。
このブレーキは2019年から量産し、自動車メーカーが注力するEV(電気自動車)や低燃費車にも対応する。
曙ブレーキ工業が開発した新構造のブレーキが「従来のブレーキよりも性能・重さの面で優れている」ならば、これまでのブレーキに置き換わる可能性が十分にあり得るだろう。
ガソリン車からEVやFCVへのシフトが急務とされ、自動車軽量化が喫緊の課題とされている今、自動車パーツの軽量化に成功したという点は、非常に面白い刺激材料に思える。
曙ブレーキ工業は自動車軽量化関連銘柄としても本命株・出遅れ株としても注目しておくべきだろう。曙ブレーキ工業は時価総額規模は小粒とはいえないが、それほど大きいというわけでもない。値動き妙味としてもそこそこ面白そうだ。
自動車軽量化関連銘柄 まとめ
自動車軽量化関連銘柄は今後も息の長いテーマ株として注目されるのではないだろうか。
今後、世界から自動車がなくなることはないだろうし、自動車が存在する以上、車体が軽量化されれば燃費も良くなり、また二酸化炭素の排出量も低減できる。EVにおいては課題の一つである航続可能距離の問題も解決できる可能性も秘めている。引き続き、EV関連銘柄と同時に注目される可能性のあるテーマ株なので本命株・出遅れ株 一覧はしっかりと把握しておきたい。