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【2016年10月12日(水)】
数年前の記事では何度も紹介したマグネシウム電池関連銘柄が再び動意づいたようだ。
日経新聞が9日「ホンダと埼玉県産業技術総合センターは世界で初めてマグネシウムを使い、繰り返し充電できる2次電池の実用化に目処をつけた」と報じたことが材料だ。
このニュースが刺激材料となり、マグネシウム電池関連銘柄が物色されている。
良い機会なので、改めてマグネシウム電池関連銘柄についてまとめておこう。
マグネシウム電池関連銘柄とは
マグネシウム電池とは、その名の通り電池反応にマグネシウムを利用している電池のことだ。細かい説明をするのも小難しい話になるので割愛するが、現状スマホのバッテリーなどに使用されるリチウムイオン電池よりも材料におけるコストが低く、さらに小型化もしやすい電池と覚えておこう。
マグネシウム電池の特徴
・小型
・コストの安い
・長期間の保存が可能
・蓄電・発電性能は従来電池よりも高性能
これまでマグネシウム電池はリチウムイオン電池とはちがって、「充電」が難しかったようだが、今回ホンダと埼玉県産業技術総合センターが繰り返し充電できるマグネシウム電池を世界で初めて実用の目処をつけたということだから、これはなかなか面白い材料だ。
リチウムイオン電池に変わり、次世代電池としてマグネシウム電池が普及したらスマホはますます小さくなるのかな?!電気自動車(EV)に利用されたら、車内がもっと広々とする可能性もありそうだ。
いよいよ次世代電池の時代がくるかもしれないな!
ちなみに2次電池というのは繰り返し充電できる電池のことだ。マグネシウム電池もリチウムイオン電池も2次電池のくくりという意味では同じだ。
マグネシウム電池関連銘柄 一覧
- 5121 藤倉ゴム工業
- 6937 古河電池
- 4100 戸田工業
- 4800 オリコン
- 6639 コンテック
- 6336 石井表記
- 7995 日本バルカー工業
- 5216 倉元製作所
- 5940 不二サッシ
- 6955 FDK
- 7911 凸版印刷
- 6584 三桜工業
- 5491 日本金属
- 6584 神島化学工業
マグネシウム電池関連銘柄 本命・出遅れ
それではいよいよ、マグネシウム電池関連で本命視されそうな銘柄をピックアップしていこう。出遅れ銘柄などもあれば追記していくつもりだ。なお、この項目は当方の主観込みなので、参考までに願う。
本命 藤倉ゴム工業
まずマグネシウム電池関連銘柄の本命と言えば藤倉ゴム工業だろう。同社は産業資材大手の企業でマグネシウム電池を手掛ける銘柄。2016年7月には、マグネシウム空気電池の本格事業化に乗り出すと一部のメディアに報じられ株価が上がった経緯もある。マグネシウム電池関連のなかでは、昔から本命視される一角だ。
現状ではPERも過熱感を感じるほどではない。今後の推移が気になる銘柄だ。
本命 オリコン
オリコンと言えば音楽のデータベースの老舗として有名だが、マグネシウム電池関連としても有名。むしろ本命視される一角と言えるだろう。2014年の10月に、子会社のオリコン・エナジーと東北大学、独立行政法人産業技術総合研究所が特許庁にマグネシウム燃料電池を実用化していくうえで基本特許ともいえる発明の一件が特許権を取得したと発表している。
子会社がマグネシウム燃料電池の特許権を取得している…うーむ。なかなか魅力的な材料かもね。
本命 倉元製作所
倉元製作所は最近、有機EL関連の発表ばかりに目がいき有機EL関連銘柄として認識しがちだが、マグネシウム電池関連銘柄としても注目だ。同社はしっかりマグネシウム電池を手掛けている企業。2015年6月にはマグネシウム電池を使ったマジックライト「ファンタスティックライト」というのを限定発売している。
倉元製作所は有機EL関連にマグネシウム電池関連と材料豊富な銘柄だ。
本命 古河電池
古河電池は自動車バッテリー用の電池が柱で、航空機や電車用なども手掛ける企業。同社は凸版印刷と共同で、非常用のマグネシウム空気電池「マグボックス」を手掛けている。2015年12月には従来よりも小型の「マグボックス スリム」を共同開発している。ここもマグネシウム電池関連として本命とみる見方もありそうだ。注目。
【2017年03月22日(火) 追記】
2017年3月現在、再びマグネシウム電池関連銘柄に物色が戻ってきたようだな。現在、スマホやタブレットなどのITデバイスや電気自動車・ハイブリッド車など幅広い分野で主流となっているリチウムイオン電池だが、このリチウムイオン電池にとって代わる電池の開発に向けて、各社がシノギを削っている様子だ。
韓国サムスンのギャラクシーノート7でリチウムイオン電池が発火事故を起こしたことなどから、「安全性に不安がある」として、リチウムイオン電池に代わる次世代電池の開発は社会的ニーズが高まっている。
マグネシウム電池はまだ実用化の段階には入っていないが、マグネシウム電池はコストの面でも優れているし、長時間の保存が可能、さらに小型化も容易ということでリチウムイオン電池に代わる電池として非常に期待されている。
マグネシウム電池関連銘柄にはやはり注目しておくのが良さそうだ。と、いうことで注目のマグネシウム電池関連銘柄を追記していく。
本命・出遅れ 不二サッシ
マグネシウム電池関連の本命・出遅れ銘柄として不二サッシを挙げておきたい。不二サッシはアルミサッシ国内4位のメーカー。
不二サッシはグループ会社の不二ライトメタルが難燃性マグネシウム合金を利用した燃料電池の共同研究を行っていることからマグネシウム電池関連銘柄としても注目される。不二サッシは時価総額の規模も大きくなく値動きも軽めだ。低位株よりの銘柄のため、人気化すれば火柱は立ちやすいとも言えそうだ。マグネシウム電池関連銘柄の出遅れ銘柄として注目したい。
本命・出遅れ 神島化学工業
神島化学工業もマグネシウム電池関連の出遅れ銘柄として注目したい。同社は海水から直接マグネシウムを取り出す技術を確立した企業。海水からマグネシウム電池の材料であるマグネシウムを取り出せるという点はかなり面白いと思う。将来的にマグネシウム電池が主流となれば、同社にも恩恵があるのではないだろうか?
ちなみに同社は「宇宙太陽光利用システム」を手掛けており、宇宙関連銘柄としてもピックアップした銘柄だな。テーマ性もなかなかに豊富だし、時価総額の規模もさほど大きくない。値動き妙味的にも面白そうな銘柄である。
本命 日本バルカー工業
日本バルカー工業は樹脂製品や断熱材などを手掛ける銘柄で、半導体製造装置関連としても注目される銘柄だ。
同社は2014年に「日本バルカー工業は空気マグネシウム電池の発電能力を3倍に高められる正極材を開発した」と報じられたことにより急騰した銘柄。その後の続報は特に見当たらないが、マグネシウム電池の正極材を手掛ける銘柄なので、関連銘柄の一角とみておくとよいだろう。
本命・出遅れ 日本金属
日本金属もマグネシウム電池関連銘柄の本命として注目したい。日本金属はマグネシウム合金の再生を手掛けている銘柄で、世界に先駆け高強度で温感成形性に優れたマグネシウム合金圧延材の製造を開始している企業で、マグネシウム電池が今後、実用化されていくとすればビジネスチャンスは大きいとみられる銘柄だ。
日本金属は時価総額の規模も大きくなく値動きも軽い。こちらもマグネシウム電池関連銘柄の本命銘柄として注目したい。
凸版印刷
前述の通り、古河電池と共同で非常用のマグネシウム空気電池「マグボックス」を手掛ける銘柄。時価総額が大きく株価の値動きは緩やか。値動き妙味としてはやや面白みに欠ける。
マグネシウム電池関連銘柄 まとめ
マグネシウム電池はまだ二次電池として実用化の段階には入っていないものの、現在さまざまな分野で主流の電池となっているリチウムイオン電池に取って代わる可能性を秘めた電池である。実用化までにまだ時間はかかるかもしれないが、各社がこぞってリチウムイオン電池に代わる次世代電池の開発を行っている状況ゆえ、突発的に材料が出てくる可能性も十分ある。
またリチウムイオン電池は可燃性の有機電解液を使用しているため、発火事故などが今後も起こる可能性はあるだろう。そうした事故がニュースで報じられれば、相対的にマグネシウム電池関連銘柄の注目度が上がることもあるかもしれない。
いずれにしろ、マグネシウム電池関連銘柄はこれまでにも定期的に物色されてきている息の長いテーマ株だ。今後も物色される可能性はある。突発的な物色にも対応できるよう、予め関連銘柄をしっかり把握しておくことをオススメする。