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乱高下の激しい相場の中で、今サウジアラビア・ロシアそして世界最大の原油産出国アメリカで原油価格戦争が起こっている。
この原油価格暴落の始まりは、3月初めに原油価格低迷の対策をサウジアラビア主導のOPEC【石油輸出国機構】のメンバーとロシアをはじめとする非加盟の産油国が、減産強化の為にオーストリアのウィーンで協議を行ったのだが、減産の強化にロシアが同意しなかった事により協議が決裂!!
協議決裂後にサウジアラビアは、今まで日量970万バレルの生産量を4月から1230万バレルの水準まで引き上げる方針を示し、さらに出荷価格の値引きに踏み切るという動きを見せた。それに対してロシアも協議決裂後に、原油の増産に踏み切る方針を発表。
今まで生産量などを調整し原油価格を維持していたが、サウジアラビア・ロシアが価格の引き下げ競争を行った事が〝引き金〟となり原油価格は3月9日終値30.24ドルとなり6日の終値41.28ドルから一気に25%以上暴落となった。その後も原油価格は下がり1バレル=20ドルを割り込み、2002年以来18年ぶりの安値となった。
原油の産出国はアメリカ・サウジアラビア・ロシア・イランという順番なのだが、たまったものではないのはアメリカだ。
アメリカはシェールオイル・ガスの増産を続け、世界最大の原油産出国となっているが、生産コストがサウジアラビアなどと比べて桁違いに高いのだ。これによって米国のシェール企業などは大打撃を受ける形となっている。
過去にも原油価格での競争などはあったが、新型コロナウイルスにさらに追い打ちとなる打撃、タイミング的にもロシアのプーチン大統領がアメリカから世界一の産油国という称号を剥奪しにかかっていると見れるだろう。
だがこれは日本企業にとっては〝追い風〟と言える。
原油が高騰ならば、「輸送費」などのコストが膨らみ、物価上昇・消費低迷にもつながり多くの日本企業にはマイナスの影響がでることが予想されるが、今回は原油安という事は日本企業にとって恩恵を受ける企業が多数ある。
そこで今回は「原油安メリット銘柄」の本命株・出遅れ株を一覧にしてまとめておく。
原油安メリット銘柄とは
原油安メリット銘柄とは、原油価格が下落する事でプラスに働く企業・銘柄の総称だ。
まず原油の値段が上がってメリットがある主な企業としては石油関連企業や資源関連企業などだが、原油の価格が下がっている場合は石油関連企業や資源関連企業などはモロにダメージを受ける事からも今はデメリット銘柄となる。
それでは原油の値段が下がってメリットを受ける主な企業としては、ガソリン価格下落で恩恵となるのは、自動車メーカーや自動車関連企業、自動車の利用者が増える事でのタイヤ株、宅配会社、燃料安で航空会社、陸運会社、海運会社、発電用重油の下落で恩恵の電力会社、そして石油を原料に使っている塗料が殆どな為、石油価格の下落で塗料会社なども恩恵がある。紙やオムツなども原油を使う製品という事からも製紙会社なども恩恵があるといえるだろう。
原油安メリット銘柄 一覧
- 3407 旭化成 総合化学企業
- 3861 王子HD 製紙国内トップ
- 3864 三菱紙 王子HD傘下コート紙大手
- 3865 北越コーポ 総合製紙中堅
- 3877 中越パ 総合製紙の中堅
- 3863 日本紙 製紙業界2強の一角
- 4615 神東塗料 住友化学系の塗料中堅
- 4617 中国塗料 船舶用塗料の最大手
- 4228 積化成 発泡プラスチックで首位
- 4471 三洋化 界面活性剤と高吸水性樹脂の草分け
- 4612 日本ペイント 総合塗料大手
- 4631 DIC インキで世界首位
- 5108 ブリヂストン タイヤの世界最大手
- 5110 住友ゴム タイヤ大手、ダンロップ商標
- 7947 エフピコ 食品トレー・弁当容器最大手
- 9503 関西電 東電と並ぶ業界の雄
- 9364 上組 港湾総合運送大手
- 4613 関西ペイント 総合塗料大手自動車用で国内首位
- 5010 日精蝋 石油由来パラフィンワックス国内首位
- 5101 横浜ゴム タイヤ大手工業資材や航空部品
- 9070 トナミHD 路線トラック大手
- 5105 TOYO タイヤ大手。トラック・バス用に強み
- 9086 日立物流 日立系。企業物流の一括請負で首位
- 8101 GSIクレオ 繊維主力の専門商社
- 6279 瑞光 衛生用品製造機で国内首位
- 4621 ロックペイント独立系塗料自動車補修用で首位
- 4102 大伸化学 塗料、ゴム、合成樹脂向けが中心
- 9062 日通 総合物流最大手で世界的
- 4611 大日本塗料 塗料大手、主力に建材、車両
- 9064 ヤマトHD 宅配便最大手
- 9130 共栄タンカー 日本郵船系。タンカー輸送主力
- 9143 SGHD 佐川急便グループ宅配、国際輸送
- 9171 栗林船 新聞用紙輸送が主体
- 9179 川崎近海 内航・フェリーが主力
- 9509 北海電 原子力と石炭火力が主力
- 9201 JAL 国際線、国内線2位
- 9075 福山運 西日本地盤の路線トラック大手
- 9076 セイノーHD 「カンガルー便」トラック輸送最大手
- 9101 日本郵船 海運売上高で国内トップ
- 9104 商船三井 海運大手世界最大級の航路網、保有船も最大
- 9107 川崎汽 海運大手3社の一角
- 9110 ユナイテド海 旧新和海運。バラ積み船主力
- 9119 飯野海運 ケミカル船、タンカー、ガス船、バラ積船を運航
- 9202 ANAHD 国内線、国際線で首位
- 9206 SFJ 北九州-羽田が主力の新興エアライン
- 9501 東電HD 日本最大電力会社
- 9502 中部電力 中部地方地盤電力大手
- 9508 九州電力 全国の離島発電が集中
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原油安メリット銘柄 本命株・出遅れ株
それでは原油安メリット銘柄のなかでも、特に本命視されそうな銘柄をピックアップしていこう。出遅れ銘柄などもあれば追記していくつもりだ。なお、この項目は当方の主観を含む内容のため、参考までに願う。
本命株 9503 関西電力
時価総額:1,051,850百万円
PER:(連) 7.15倍
PBR:(連) 0.62倍
≪2020/03/25時点≫
原油価格の下落で発電用重油の下落となる事を考えれば原油安のメリットを恩恵を受ける業種となれば電力株といえるだろう。関西電力は東京電力と並ぶ大型電力会社だが、東京電力と比べやはり利回りがあるという部分が圧倒的な差と言える。
その関西電力の利回りだが4.46%と電力会社の中でも一番の利回りとなっている。PER7.15倍、PBR0.62倍と割安水準だ。そして新型コロナの影響を受けにくいディフェンシブな銘柄な為、注目するべきと言えるだろう。
本命株 5110 住友ゴム工業
時価総額:274,880百万円
PER:(連) 7.74倍
PBR:(連) 0.60倍
≪2020/03/25時点≫
原油安と言えばタイヤ製品は昔から特需があるだけに住友ゴムは原油安メリットの本命銘柄と言えるだろう。ダンロップ商標をもち同社は売上の9割がタイヤ製品だ。
そして2月13日の決算を見ると、19年12月期の連結最終利益は前の期比66.7%減の120億円となっているが、20年12月期は前期比2.9倍の355億円と大幅に業績が改善となっている。
原油安でメリットが高いタイヤ業種の中でもPER:7.74倍、PBR:0.60倍、利回り5.26という部分からも中長期の投資家の資金も期待できるだけに注目と言えるだろう。
本命株 9076 セイノーHD
時価総額:246,101百万円
PER:(連) 9.53倍
PBR:(連) 0.54倍
≪2020/03/25時点≫
「カンガルー便」で有名なセイノーHDだが、貨物自動車運送事業、貨物利用運送事業、倉庫業、航空運送代理店業、通関業、国際複合一貫輸送事業など配送・運送の路線トラック輸送最大手企業だ。
原油価格の下落つまりはガソリン価格の下落は運送業にとってコスト削減できるメリットからも非常に恩恵が高いといえるだろう。チャートも底打ちから急反発している。直近の決算では下方修正となっているがガソリン価格の下落の恩恵を考えても業績の改善につながるとみていいだろう。
4631 DIC
時価総額:221,716百万円
PER:(連) 9.38倍
PBR:(連) 0.71倍
≪2020/03/25時点≫
DICは印刷インキ、有機顔料、PPSコンパウンドで世界トップシェアの化学メーカーだ。
基礎素材である有機顔料、合成樹脂をベースとして、自動車、家電、食品、住宅などの様々な分野に事業を拡大して、世界の60を超える国と地域にグローバルに事業を展開している企業だ。
直近の決算を見ると19年12月期の連結経常利益は前の期比15.2%減の413億円、20年12月期は前期比6.5%増の440億円に伸びる見通しを発表している。さらに今期の年間配当は前期比10円増の110円に増配している。チャートを見ると新型コロナの影響から株価は下落を続けたが、業績面も良く増配、そして化学製品も原油安が追い風になる事を考えれば、会社の株価がこの位置というのは割安な銘柄と言えるだろう。
出遅れ株 4611 大日本塗料
時価総額:24,363百万円
PER:(連) 6.66倍
PBR:(連) 0.53倍
≪2020/03/25時点≫
大日本塗料は塗料業界でも国内4位、重防食・住宅建材用、照明機器に強みをもつ企業だ。原油安は塗料業界にとっても仕入れ価格を下げれるという点からも恩恵は強い。そして同社は塗料業界の中でもPER:6.66倍、PBR:0.53倍と割安という面もだが、時価総額240億と比較的小粒なところも妙味有り
出遅れ株 6279 瑞光
時価総額:29,592百万円
PER:(連) 16.16倍
PBR:(連) 1.08倍
≪2020/03/25時点≫
原油安で原材料が下がれば瑞光も恩恵が高いと言えるだろう。瑞光は衛生用品製造機で国内首位。紙おむつ、生理用ナプキンを主力とする企業だ。新型コロナウイルスでトイレットペーパーの他にも紙おむつやナプキンが売り切れる事態となったが、同社はマスク、紙おむつ、生理用ナプキンなど今の相場環境でテーマ性を高く持っている。そしてこの原油安での恩恵も高いだけに本命銘柄と言えるぞ
【2020年04月21日追記】
原油が歴史的大暴落!原油安で海運株が急動意!
昨日は、まさに原油先物5月切りが歴史的な大暴落となったな。
新型コロナウイルスで需要が落ち込み、「米国の貯蔵施設能力が限界がパンクする」
これが大暴落のトリガーを引いたというわけだが、昨日は「10分おきに1ドル下がる」ような展開になったわけでだが、各国のファンドの投げ売りなどから「1分で10ドル以上下落する」驚異的な下げを記録した。
買い手がつかないマイナスに落ち込むという異例の事態となり、まさに大暴落という動きとなったわけだが、この原油価格がマイナスは「アメリカのエネルギー産業の経営を圧迫する事となり、実体経済にも深刻な影響を与えかねない」と言えるだろう。
実際にこういう状況となると採算コストの低いサウジアラビアも苦しい展開となるのは間違いないだけにどういった手が今後世界各国で打たれるのか…
原油風呂など美肌効果があるなどテレビでも紹介されていたが…もはや「原油は水並みの価値」となっている。
トランプ大統領は原油先物市場で史上初めて価格がマイナスになった事については「短期的なものだ」「いまは原油を買う良い機会だ」と発言しているが、米国のシェール企業は既に【四面楚歌】という状態。さらにロシアにとって適切な原油価格は1バレル=42ドルとしている事からも、今の状況が続けば大混乱となると言えるだろう。
アメリカでは政府の原油戦略備蓄を「最大7500万バレル積み増すことを検討」して、政府の直接購入に向けて議会に予算措置を求めるとの事だが、4月1日には中堅企業ホワイティング・ペトロリアムが倒産しているが、連鎖的な倒産はこの状況となるとさらに増えてくる見込みだ。
原油安でバルチック海運指数が連騰、恩恵銘柄は?
この止まらない原油安でバルチック海運指数が連騰となり海運株が上昇、【9115】明治海【9362】兵機海運など様々な海運株が急騰となったが、今、海運株の中でチャート的にも伸びしろのある原油安メリット銘柄を記載するぞ!
9130 共栄タンカー
時価総額:7,000百万円
PER:(連) 3.50倍
PBR:(連) 0.57倍
≪2020/04/21時点≫
共栄タンカーは大株主に日本郵船株式会社を持つ日本郵船系のタンカーでの海上運送業を主力とする企業だ。
石油などの販売をしている同社は原油安の恩恵がある事が、原油価格の大暴落で本日は一時STOP高を見せる場面もあったが、その後は利益確定売りに押され下落。だがチャートを見ると直近は700円~900円のレンジとなっていたが、ここを抜けてきた事からも上放れしていく可能性も高いと言える。
原油安状況で備蓄場所としてタンカーが利用される思惑も強く、原油安が続くのならばタンカーを取り扱う同社は時価総額の低さからも思惑で今日の様なSTOP高といった場面が今後でてくる可能性もあると言えるだろう
原油安メリット銘柄 まとめ
日本は原油を輸入に頼るしかない事からも、原油安というのは数々の企業に恩恵をもたらす。原油高となると「物価上昇」「消費低迷」「企業の収益悪化」など、ネガティブな環境となるのは必然の流れと言える。
特に今の相場は新型コロナウイルスで四面楚歌となっている相場環境、原油安によって本来恩恵を受ける航空会社などは飛行機を飛ばせないなどの問題となっている
この原油安という部分は日本企業に対してメリットがある事を考えれば新型コロナウイルスが落ち着いて、原油も安い状況ならば原油安メリット銘柄は上昇していくと言えるだろう。